2007年11月22日木曜日

公文書の管理・保存・公開と歴史学:歴研総合部会例会

ご案内を頂きましたので、お知らせ致します。


歴史学研究会 総合部会 第二回例会
公文書の管理・保存・公開と歴史学
情報公開法施行後の現状と課題

日時 2008年112日(土) 13:30~17:30
会場 東京大学本郷キャンパス 法文1号館1F112教室(東京メトロ本郷三丁目駅より徒歩8分)
報告者
瀬畑源氏(一橋大学大学院社会学研究科後期課程・日本現代史)
「情報公開法と公文書管理問題―日本現代史研究者の立場から」
高橋滋氏(一橋大学大学院法学研究科教授・行政法)
「公文書管理体制と歴史研究のあいだ―情報公開法・個人情報保護法との関係で」
石原一則氏(神奈川県立公文書館・アーカイブズ学)
「地方自治体の公文書管理体制―神奈川県立公文書館の場合」(仮)
資料代:300円
主催:歴史学研究会

趣旨文
 歴史学研究会は1995年の総会活動報告において、「従来歴研は歴史学の社会的役割を研究と教育の二本立てで考えてきたが、今後これに加えて史料保存・ アーカイブズ機能の三本立てとする必要がある」(『月報』1995年5月号)という問題提起を行った。「アーカイヴズとは社会の共同記憶装置」(保立道久 「歴史学とアーカイヴズ運動」『アーカイヴズ学研究』No.1 2004年10月)であるとするなら、アーカイブズ問題は、歴史学の基盤の問題であると同時に、市民の歴史意識の形成にとって歴史教育と同等の重要性をも つものとして、歴史研究者が取り組むべき問題であろう。当会は、1997年大会で「史料の管理・保存と歴史学」と題する特設部会を開催したほか、本誌で 「アーカイブズの比較史」(2004年6月号)という特集を組むなどの活動を行ってきた。今回の企画もそれらの延長にある。
 2001年施行の情報公開法(「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」)は公文書の管理・保存・公開に関わる状況を大きく変えることになった。行 政機関は、保有する行政情報を原則として全て公開することを義務づけられたため、昭和天皇とマッカーサーの第1回会談の会議録が公開されるなど、多くの歴 史的に重要な史料が公開されてきた。
 しかし、その一方で、情報公開法施行直前に大量の史料が廃棄されるなどといった文書管理の不備の問題が、当初から大きく取り上げられていた。さらに、法 施行後、各府省庁から国立公文書館等に移管される公文書の量が激減しているだけでなく、そもそも重要な行政文書そのものが作られないといった問題も浮上し てきている(『日本経済新聞』2002年8月11日朝刊)。この問題の根本には、文書移管の決定権を国立公文書館ではなく各省庁が握っていることや、そも そも公文書のライフサイクル全体を統括する法律が制定されていないという問題がある。
 こうしたなか、政府部内において「公文書等の適切な管理、保存及び利用に関する懇談会」が設置され、現状の問題点を総括し、改善のための提言を行ってい る(2004、2006年)。また「公文書管理法研究会」が公文書の作成から保存までを見据えた法整備の提言を行っているなどの動きがある。
 この公文書の管理・保存・公開の問題は、現在の歴史研究者にとっての歴史史料の公開というだけでなく、将来の歴史研究者のためにどのように史料を残せる のかという問題でもあるということを、深刻に受け止める必要があるのではないか。
 以上をふまえ、今回の総合部会例会では、情報公開法施行後の公文書の管理・保存・公開の問題点を整理し、それに対して歴史研究者が取り組むべき課題を考 えたい。まず、情報公開法施行当初から、歴史研究者として公文書の公開問題に関心を寄せてきた瀬畑源氏に、利用者の立場から国のアーカイブズをめぐる諸問 題を論じていただく。次に、前述の公文書管理法研究会座長である高橋滋氏に、行政法学の見地から、現在の国の公文書管理体制の問題点、それと歴史研究の関 係について個人情報保護の問題とも絡めながら論じていただき、あわせて「公文 書管理法」の構想についてもお話しいただく。さらに、神奈川県立公文書館の石原一則氏から、先進的な内容をもった神奈川県の公文書管理体制や情報公開制度 の経緯や現状をご報告していただくことで、国の公文書管理体制の問題点を地方から照射したい。

「男性史」は何をめざすか:歴研総合部会例会

ご案内を頂きましたので、お知らせ致します。


歴史学研究会 総合部会 第一回例会
「男性史」は何をめざすか
その現状と可能性をめぐって
2007年1215日(土):午後1~5時
会場: 大阪経済法科大学・東京麻布台セミナーハウス2F大会議室(東京メトロ神谷町駅から徒歩2分)
報告者: 阿部恒久兼子歩
討論者: 加藤千香子
主催:歴史学研究会
資料費:300円

趣旨文
 歴史学の「メインストリーム」では書かれなかった女性の経験を記述しようという思いは、女性史研究を登場させた。さらに、性差及びその構築に対する関心 がジェンダー概念の創出へとつながり、「女性性」「男性性」が歴史のさまざまな場面で構築される過程を検証する「ジェンダーの歴史学(ジェンダー史)」が 誕生した。それ以来女性史、ジェンダー史の多くの研究が蓄積され、社会的な認知も深まってきといえる。
 しかし、それに対して男性性/マスキュリニティ、男性史という言葉はあまり市民権を得ているとは言い難い。しかし「慰安婦」問題や男性労働を中核とした 企業のあり方といった、現在関心を集めている問題を考える上でも、またジェンダーの権力関係を男性の視点から考察して、歴史全体の再構築をめざす意味にお いても、これまでの男性性/マスキュリニティを問い直すことは、重要な意味をもつようになってきている。そしてこうした男性性/マスキュリニティの規範と 実態を探るためには、それらがどのような過程で構築されてきたのか歴史的に考察することが求められているのである。
本例会ではこうした視点に立って、「男性史」の現在と将来、その可能性というものを検討してゆきたいと思う。「男性史」の対象や方法とは何なのか、「男性 史」は女性史、ジェンダー史とはどこがどう変わってくるのか、またそれぞれの間の関係とはいかなるものなのか、さまざまな見解が存在する中で、活発な議論 を通して「男性史」の可能性というものを探ってゆきたい。
そして今回は特に、先に刊行された阿部恒久・大日方純夫・天野正子編『男性史』第1~3巻(日本経済評論社、2006年)を男性性/マスキュリニティを議 論してゆく際の材料、土台として取り上げることとする。しかし、単にこの『男性史』の批評にとどまらず、男性性/マスキュリニティとは何か、今、なぜ「男 性史」ついて取り上げるのかといったことを議論してゆくことを主眼におく。そこで報告者の阿部恒久氏には、『男性史』の編者として同書の企画の趣旨、めざ そうとしたことについ話していただく。さらに国際比較の視点から、もう一人の報告者の兼子歩氏には、アメリカ史における男性史研究の現状と課題といったこ とを紹介していただく。各時代、各地域ないし国家において、いかに男性性/マスキュリニティといったものが構築されてきたのかということを検討し、それぞ れの歴史的過程の多様性と共通性を抽出してゆくことに よって、男性性/マスキュリニティの多様な現実と規範が考察できるのではないかと考えるからである。またその分析の際には、性に関するさまざまな既存概念 の再検討をめざすクィア理論の視点にも留意したい。そして討論者の加藤千香子氏には、日本における男性史研究の現状と課題とその中での『男性史』刊行の意 味について話していただき、さらに男性史研究の意味と可能性についても触れていただく。

2007年11月8日木曜日

現代都市を生きる感性と歴史学:東京歴史科学研究会

ご案内を頂きましたので、お知らせ致します。


東京歴史科学研究会
2007年12月「歴史科学講座」のおしらせ

*絶えず社会との緊張関係を意識しつつ、研究の新領域を切開してきた成田氏に、現在の問題群と最新の展望をめぐって講演していただきます。

【講 演】成田龍一氏 (日本近代史/日本女子大学教授)
     「現代都市を生きる感性と歴史学 −戦後歴史学と都市史研究−」
【日 時】2007年12日(土)14:00〜(開場13:30)
【会 場】立教大学(池袋キャンパス)5号館5307教室(3階)
【参加費】600円
【連絡先】東京歴史科学研究会
     〒114-0023 東京都北区滝野川2-32-10-222(歴史科学協議会気付)
      TEL/FAX 03-3949-3749
      e-mail torekiken@gmail.com
詳細は本会ウェブサイトにも掲載いたします(http://wwwsoc.nii.ac.jp/trk)

2007年11月6日火曜日

「医療の国民化」を考える:民衆史研究会大会シンポ

ご案内を頂きましたので、お知らせ致します。


民衆史研究会2007年度大会シンポジウム
「医療の国民化」を考える
——現代史のなかの医療と民衆

<報告>
中村 一成(一橋大学大学院)「戦前・戦時の都市医療」(仮)
鬼嶋 淳(佐賀大学)「占領期日本における医療運動の展開」(仮)

<コメント>
高岡 裕之(関西学院大学)

日時 2007年121日(土) 総会12:30〜 大会13:00〜

会場 早稲田大学文学部 36号館6階 681教室

参加費:300円 ※終了後、懇親会あり

[詳細情報]民衆史研究会

<開催趣旨>
 グローバル化とそれに対応した新自由主義政策が進行している昨今、“福祉国家”の変容・解体が様々なレベルで議論されている。日本社会においても、年金制度や健康保険制度のゆきづまりが問題化されているのは周知の事実である。こうした“福祉国家”の大きな変貌を前にして、近年これを学問的に再検討しようという動きが強まっている。「福祉国家」と名のつく書籍を探してみれば、社会政策や社会福祉の研究はもちろんのこと、社会学や歴史学の分野においても、同問題に対する関心が高まりを見せていることが分かるであろう。国民健康保険をはじめとする医療の問題は、そのなかでも1つの焦点をなしている。
 近年の医療制度改革の流れのなかで、国家が国民すべてに医療を受ける権利を保障するという従来の政策枠組はその根底から揺るぎつつあるが、そもそも日本において、医療の受け手が国民的規模に拡大していくこと——本シンポジウムではこれを「医療の国民化」と呼ぶことにしたい——が進行したのは、第一次世界大戦後以降、なかんずく1930年代から40年代にかけてのことであった。国家総力戦体制の構築過程で、国民健康保険法(1938年)、国民医療法(1942年)といった重要な法律が公布・施行され、「健民健兵」育成のため国民に“健康”の義務を課し、そのための監視体制を全国的に網羅することが国策として目指されたのである。こうした「医療の国民化」は、“人的資源”を国家目標に合わせて動員するためのひとつのテクノロジーであり、人々を“有用性”の基準で峻別・序列化する機能を担っていた。
 戦後社会においては、“健康”は権利としての位置づけ(憲法25条)を得て、医療制度の受益者は格段に広がっていく。しかし同時にそれは、健康(健全)/不健康(不健全)という戦前以来の価値体系を引き継ぎつつ、“健康”の規格をくりかえし再生産していく過程でもあった。とりわけたびたび行われる政府や民間の健康キャンペーンは、個人が選び取っているかのように見える“健康”のための努力が、国家的な要求と密接な関係にあることを示唆するものであった。
 このように概観してくると、戦間期以降の医療の普及の歴史は、常に国民国家への統合や動員と分かちがたく結びついていたことが分かる。しかし、こうした理解には一方で大きな疑問も残る。そもそも医療制度の充実というのは、民衆の切なる願いだったのではないか。社会政策史の相澤與一は、戦時期における国民皆保険化の状況について、「医療窮乏に苦しむ農民たちの痛切な必要と要望を反映し、それらが組織され吸収された側面もあったはずである」と指摘している。「医療の国民化」は、国民統合の契機としての側面を持ちつつも、同時に、民衆の切実な医療要求との連環の中に位置づけられるものなのではないだろうか。とするならば、民衆の運動や意識状況の側に足場を置いて、もう一度「医療の国民化」の様相を捉え直していくことも必要であろう。
 そこで本シンポジウムでは、これまで制度史、政策史的な観点で捉えられることの多かった1920年代から1950年代にかけての時期の「医療の国民化」について、地域社会や社会運動、民衆の生活実態といったファクターに即して考えてみたい。そうすることで、動員や規律化といった概念には単純には収斂しえない、医療と民衆の関わり方の具体像を描き出せるのではないかと考えている。
本シンポジウムがポスト“福祉国家”を見据えていく上で、何らかの手がかりとなれば幸いである。

2007年11月4日日曜日

シンポ「アジアにおける国民国家構想」のお知らせ

ご案内を頂きましたので、お知らせ致します。


シンポジウム
アジアにおける国民国家構想

日時:2007年128日(土)、開場9時20分・開場9時50分

会場:早稲田大学戸山キャンパス34号館453教室

問題提起:
趙景達「アジアにおける国民国家構想──朝鮮を中心に」

報告:
檜皮瑞樹「19世紀後半の日本における北進論と国民国家構想」
田中比呂志「近代中国の国民国家構想──清末民初の地域エリート等の構想を中心として」
今井昭夫「20世紀初頭のベトナムにおける開明的儒学者達の国民国家構想」
ジャン・H・エルキン「トルコにおける国民国家構想と近代日本の接点──ツーラン主義の日本における展開」

コメンテータ:金井隆典・朴花珍、討論司会:慎蒼宇・中嶋久人

主催:大学共同利用機関法人 人間文化研究機構、共催:アジア民衆史研究会

事前のお申し込みは必要ありません。お気軽にご参加ください。

[詳細情報]

近代西欧で誕生した国民国家は瞬く間に伝播していき、アジアにもその採用を迫るに至った。西勢東漸の波濤は、伝統的世界に浸るアジア諸国家にさまざまな葛藤を生み出し、アジア諸国家は植民地化を免れるべく、必死の営為をしていく。結果として、第二次大戦以前国民国家の建設に成功を収めたのは、アジアの東端である日本と西端であるトルコであり、タイも一応の独立を維持することができた。中国の場合は半植民地化の中から国民革命を目指したが、他のほとんどの国々は植民地に転落した。

このようにアジアにおける近代の道程は明暗を分けるに至ったが、「アジアにおける国民国家構想」と銘打つ本シンポジウムの意図するところは、各国でさまざまに営為された国民国家構想を比較検討することにある。その際、国民国家の建設に成功を収めた日本などを理念型として括りだし、他をその基準に合わせて評価していくというような近代論的な方法をとらないのは言うまでもない。日本もまた、国民国家建設の成功の裏でさまざまな矛盾や問題を抱えるに至ったのであり、それが何であるかを問うことがむしろ重要な課題である。国民国家構想の違いには、伝統思想や伝統文化との葛藤の深度が大きく規定する要因となったものと考えられるが、そうしたことを探り出していかなければならない。現在世界はグローバリゼーションの波に洗われ、国民国家は揺らぎを見せているにもかかわらず、逆にそうであるがゆえにその強度が増しつつあるという皮肉な状況下にあると言えよう。しかし、その表れ方も一様ではない。本シンポジウムは、そうした現在的な課題を十分に念頭に置きつつ進めていきたい。かつて竹内好が提起した伝統との葛藤にまつわる「回心文化」と「転向文化」の問題は、決して古びたものとなっていない。伝統は、国民国家体系を当為とする現代世界にあってなお、人々の行動や思惟などを拘束しているのが現実である。日本の「転向文化」もまた、伝統のあり方のゆえに可能であったとも言うことができる。

本シンポジウムでもっぱら取り上げる事例は、日本・中国・ベトナム・トルコである。これらは国民国家に成功を収めた国と半植民地となった国、そして完全植民地となった国に分けられるが、この四国は相互に影響を被りつつも独自な国民国家構想を営為した。全三者は同じく儒教文化圏に属しているにもかかわらず、その国家構想は分岐している。また、トルコは日本とはるか離れた地に位置しながらも日本のアジア主義と関係を持った。本シンポジウムでは専論としては扱わないが、朝鮮の国民国家構想とアジア主義への対応の仕方も問題としないわけにはいかない。

教科書問題というやっかいな問題もある中で、以上のような課題意識を持つ本シンポジウムは、単に学術的であるばかりではなく、それなりに実践的であると自負するところがある。多くの人々とともに大きな議論ができることを期待したい。

2007年10月22日月曜日

ありがとうございました



たくさん皆様のご参加を頂き、10月例会「現代社会運動史資料の海へ」は盛況の裡終了致しました。ありがとうございました。
私たち運営の不手際により、議論に十分な時間を確保できなかったことが残念ですが、何らかの形態で、このような議論を継続してゆく方策を探ってゆきたいと思います。
また報告者の相川さん・友澤さん、コメンテータの原山さん・檜皮さん、そして休日にも関わらず今回の企画を快くお引き受けいただきました埼玉大学共生社会研究センターの藤林さん、ほんとうにありがとうございました。

2007年10月21日日曜日

10月例会のお知らせ

例会を開催します。みなさまのお申し込みをお持ちしております。

テーマ:

現代社会運動史資料の海へ
──埼玉大学共生社会研究センター見学・報告・交流会──

参加申し込み方法:定員は20名、予約制です。

会場整理の都合上、107日(日)までに、歴史学研究会近代史部会運営委員、大和孝明(やまとたかあき)までご連絡下さい。先着順で、ご案内を差し上げます。
定員一杯となった場合、ご来場をお断りすることがございます。大変心苦しいことではありますが、どうぞご了承下さい。

日時:1021日(日)、11:45〜17:00
会場:埼玉大学共生社会研究センター(総合研究機構3F)

当日は11時45分に埼玉大学正門前にお集まりください。部会運営委員が皆様を会場へお連れします。それ以後に来られた方は、直接会場までお来し下さい。
当日昼食休憩はございませんので、あらかじめ済ませた上でご参加下さい。
[案内図][バス:北浦和][バス:南与野]

日程:

1. センター見学とご担当者による説明
2. 二名の研究者による報告、二名のコメンテーターによる問題提起
3. 総合討論

報告者:

相川陽一氏(一橋大院)「地域ベ平連調査からみえてきたもの」
友澤悠季氏(京都大院)「センターとの出会いから考えたこと―宇井純公害問題資料を事例として―」

コメンテータ:

原山浩介氏(国立歴史民俗博物館)
檜皮瑞樹氏(早大院)

例会企画趣旨:

 埼玉大学の共生社会研究センターには、住民図書館をはじめとする団体や個人より寄贈を受け、現在も継続収集を行う、30万点を超える社会運動やNGO・NPO関連のビラ・ミニコミが収蔵されています。環境・人権・教育・平和・産業・生活問題など、そこにみられるテーマは幅広いものであり、同所は市民の活動を記録・保存し、社会に発信するための情報センターとしての機能を果しています。
また、日本消費者連盟・草の根通信(復刊)・練馬母親連絡会・国立市障害者自立運動・べトナムに平和を!市民連合(ベ平連)・横浜新貨物線反対運動・公害問題等、様々な運動に関する一次史料や、生涯をかけて公害問題に取り組んだ宇井純氏(1932-2006)の資料コレクション、東南アジアを歩き『バナナと日本人』や『ナマコの眼』などの著作を残した鶴見良行氏(1926-1994)の残した蔵書・研究ノート等が存在しています。
 これらの史資料は『「生活の質」を捉え直し、多価値の時代における共生のあり方を考察し、社会に還元する』(センターHPより)目的は勿論のこと、特に研究者にとっては、1960年代以降の社会運動を考える上で、大きな手がかりになることが予想されます。しかし現代の人文社会科学は、現代社会運動史資料の実態解明や収集・保存・活用について、未だ方法論を確立したとは言いがたい状況にあります。
 そこで、このたび歴史学研究会近代史部会は、センターのご協力をいただき、現地での史資料見学・個別報告・交流会を一体化した例会を企画することにいたしました。
 本企画は、現代社会運動研究・調査についての論点共有や、研究基盤作りのための第一歩であることを目的としています。学知の境界を超えて、社会運動を「現場」の視点から改めて問い直すことや、現代史資料を収集・保存・活用すること、そして記録や証言自体の持つ意味について、話し合ってみたいと思います。
 これから研究をはじめようと考えておられる学部生・院生や、すでに研究をすすめておられる研究者、現代史資料を扱っておられるアーキビストなど、ご興味をお持ちの皆様。センターに集い、一緒に語り、考えてみませんか。


ご注意:

埼玉大学共生社会研究センターは、この企画に対し、会場確保・内容説明等の点でご協力くださっています。しかし例会企画・運営・実行の責任は、歴史学研究会近代史部会にあります。例会について埼玉大学にお問い合わせいただきましても、回答しかねる場合がございます。
お問い合わせにつきましては、上述の大和アドレスまでご連絡のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2007年10月16日火曜日

東京歴史科学研究会からのお知らせ

ご案内をいただきましたので、ご紹介致します。


東京歴史科学研究会
12月歴史科学講座事前学習会

◇テーマ◇ 成田龍一『近代都市空間の文化経験』を読む
◇報告◇ 山口公一・佐藤美弥・牛木純江
◇日時◇ 2007年1026日(木)18時00分から
◇会場◇ 一橋大学国立西キャンパス別館1階歴史共同研究室会議スペース(JR中央線国立駅南口徒歩6分)
◇地図へのリンク◇
地図の(4)の建物です
成田龍一『近代都市空間の文化経験』岩波書店、2003年
東歴研ウェブサイトもご覧ください
 以上

2007年10月13日土曜日

本誌増刊号が発売されました


歴史学研究会編『歴史学研究 増刊号』No. 833、2007.10、青木書店。
去る6月に開催された2008年度歴研大会における報告・コメント・討論要旨が掲載されています。
目次等は、歴史学研究会:最新号目次をごらん下さい。

2007年9月29日土曜日

東京歴史科学研究会 2007年度第2回近代史部会のご案内

ご案内をいただきましたので、ご紹介致します。


2007年度第2回近代史部会の開催について決定しましたので
下記の通りご案内いたします。
◇報告◇ 中村元 氏(都立大D)「1930年代「大東京」近郊都市地域社会と屠場市営化・移転問題—東京府八王子市を事例に」
◇日時◇ 2007年929日(土)14時00分から
◇会場◇ 一橋大学国立西キャンパス第二講義棟4階410号教室
       (JR中央線国立駅南口徒歩6分)
◇地図へのリンク◇ 地図の(10)の建物です

東歴研ウェブサイトもご参照ください。

2007年9月22日土曜日

アジア民衆史研究会からのご案内

ご案内をいただきましたので、ご紹介致します。

アジア民衆史研究会
2007年度第1回シンポジウム
老いをめぐるポリティクス ──東アジアにおける民衆の世界観(7)──
日時:2007年922日(土)13時から
報告:
   小椋喜一郎「幕藩制国家と老い」(仮)
   大友昌子「帝国日本の植民地社会事業政策にみる老いのポリティーク」(仮)
会場:東京大学駒場キャンパス5号館511教室
詳載はウェブサイトをご覧下さい。

2007年8月13日月曜日

2007年度第1回東京歴史科学研究会近代史部会のお知らせ

ご案内をいただきましたので、ご紹介致します。

2007年度第1回東京歴史科学研究会近代史部会

◇報告◇ 大高俊一郎氏(一橋大D)
「1920〜30年代における部落問題と地域社会——神奈川県久良岐郡六浦荘村を事例として」
◇日時◇ 2007年830日(木)14時30分から
◇会場◇ 一橋大学国立西キャンパス第一講義棟1階106号教室
       (JR中央線国立駅南口徒歩6分)
◇地図へのリンク◇
地図の(9)の建物です

東歴研ウェブサイトもご覧ください

 以上

2007年8月6日月曜日

今後の運営委員会日程

今後の運営委員会は以下のような日程です。
【8月】
 10日(金) 埼玉大学見学会
 下旬 (昨年はこのあたりにミーティングを開き、例会計画や部会問題について検討しました)

【9月】
 12日(水) 例会について打ち合わせ予定
第一回部会連絡会
大会報告者の報告依頼開始予定
 月末 (昨年はこのあたりに第一回連絡会が開催されました)

【10月】
 上旬 (昨年はこのあたりにミーティングを開き、例会運営について検討しました)
 8日(月) 例会打ち合わせ予備日
 21日(日) 例会@埼玉大
 下旬 (昨年はこのあたりにミーティングを開き、大会テーマおよび想定報告者について検討しました)

2007年7月28日土曜日

東京歴史科学研究会入門講座のご案内

ご案内をいただきましたので、ご紹介致します。

東京歴史科学研究会 2007年 7月 入門講座

【講演】
吉田裕氏
「現代日本人の戦争認識と日中戦争」
1937年の日中戦争開戦から70年の今年、アジア太平洋戦争研究の第一線に位置する吉田裕氏をお招きし、いま、近現代史研究から歴史学を学ぶことの意義について講演していただきます。

【日時】
2007年728日(土)14:00〜(開場13:30)

【会場】
立教大学(池袋キャンパス太刀川記念館3階ホール(案内図 地図の5番)

【参加費】
600円

東歴研ウェブサイトもご覧ください

7月例会のお知らせ

東欧史研究会西洋近現代史研究会・歴史学研究会近代史部会 三者共催の例会を開催します。
お気軽にご参加下さい。

日時:728日(土)13:00~
場所:世界史研究所 10階 大会議室
   東京都渋谷区渋谷2丁目17番3号 渋谷アイビスビル
   JR渋谷駅東口から徒歩3分
1.報告:大畑悟さん
   第一次大戦期オーストリア=ハンガリー帝国における愛国世論調査
    イタリア語住民の『愛国的な手紙』を中心に
2.書評:西川正雄著『社会主義インターナショナルの群像 1914-1923』(岩波書店、2007)
   評者:三宅立さん、小沢弘明さん
共催:東欧史研究会・西洋近現代史研究会・歴史学研究会近代史部会

2007年7月20日金曜日

1989年度大会の記録

近代国家成立期における「名望家層」の役割

  • 近代日本における名望家支配:筒井正夫

  • 近代ドイツの国家と都市名望家:藤田幸一郎

  • 英領マラバールの社会構造と地域指導者:粟屋利江

1988年度大会の記録

「周辺」地域における近代国家形成の模索

  • 明治憲法体制形成期の自由民権運動:安在邦夫

  • 近代エジプトにおける国家と農民:加藤博

  • 近代における中東欧の国家再編:羽場久浘子

1987年度大会の記録

民衆世界と近代

  • フランス革命における伝統的心性と革新的心性──マラー葬儀を中心として:立川孝一

  • 中国農村の市場(いちば)社会と民衆生活──義和団の神々たち:中村哲夫

  • 近代社会成立期の民衆運動──負債農民騒擾における正当性観念を中心にして:稲田雅洋

1986年度大会の記録

19世紀近代化過程における「外圧」と国家──従属か自立か

  • 東アジアにおける「外圧」の構造:杉山伸也

  • 維新変革の基礎過程──対外的契機と「編成替」:石井寛治

  • 近代朝鮮の商人資本等の外圧への諸対応──甲午以降(1894〜1904年)期の「商権」問題と生産過程:梶村秀樹

1985年度大会の記録

ブルジョア革命における権力と民衆

  • 自由民権期における権力と政党:大日方純夫

  • 権力的改革の構造とその背景──辛亥革命の経済史的位置:黒田明伸

  • ドイツ1848年革命像の再検討──革命期ベルリンの市民軍をめぐる事例研究を手がかりに:川越修

1984年度大会の記録

近現代史合同部会1

近代世界の成立と非ヨーロッパ社会

  • 幕末開国の世界史:加藤 祐三

  • 「アラブ民族運動」の再検討──「アラブの覚醒(ナフダ)」期を中心として:臼杵 陽

  • インド19世紀後半の飢饉とその社会経済的性格:脇村 孝平



近現代史合同部会2

帝国主義の体制的危機における国家支配と民衆

  • ニューディールの再検討:秋元 英一

  • 国民革命期に至る栄家企業と軍閥支配:大野 三徳

  • 戦間期における国民統合の変化──地方=農村における既成政党の統合をめぐって:鈴木 正幸



近現代史合同部会3

現代における平和の諸問題

  • 非同盟と平和──1950年代末〜1960年代東南アジアを中心に:桐山 昇

  • ベトナム戦争批判とアメリカ知識人──G.コルコの場合:藤本 博

  • ハルビンからフォート・デトリックまで──細菌兵器開発と科学者の戦争協力:常石 敬一

1983年度大会の記録

近現代史合同部会1

19世紀資本主義の世界体制と周辺

  • 19世紀ペルーの従属的発展:辻豊治

  • 第一次大戦前の金鉱業出稼労働とアフリカ人社会:奥本栄一

  • 19世紀オランダのインドネシア支配とその歴史的環境:宮本謙介



近現代史合同部会2

ベルサイユ・ワシントン体制下の帝国主義支配と民衆

  • 両大戦間期における農業政策と農村側の対応:加瀬和俊

  • 国民革命の展開とワシントン体制の変質:坂野良吉

  • 1920年代アメリカの対外政策の経済的基盤:長沼秀世



近現代史合同部会3

「高度経済成長」の歴史的諸条件

  • 高度経済成長と日本の労働運動:高橋彦博

  • タイにおける資本主義化と農村の変化:北原淳

  • イランにおけるアメリカの支配:日高英実

1982年度大会の記録

帝国主義期の支配構造

  • チェコスロバキア第一共和国の内政システムの形成とその特質(1918〜1921年):林忠行

  • 日本帝国主義の支配構造──1920年代における天皇制国家秩序再編成の意義と限界:渡辺治

  • 民国期中国の支配構造──1920年代前半の軍閥支配と民族運動:平野和由

1981年度大会の記録

帝国主義と農業・農民問題

  • 総有団体kozbirtokossag:ハンガリーにおける農村共同体の一形態──第一次世界大戦前後における農民経営の一接近:家田修

  • 第一次大戦後の農民問題:林宥一

  • 帝国主義成立期の浙江農村社会──台州土匪と浙江革命派:秦惟一

1980年度大会の記録

帝国主義と労働者階級

  • ドイツ労働組合運動における総委員会体制の確立過程:芝野由和

  • 日本帝国主義確立期の労働問題:安田浩

  • 日本紡績資本の中国進出と「在華紡」における労働争議──5.4〜5.30時期をつうじて:高綱博文

1979年度大会の記録

帝国主義の構造と民衆

  • 第一次大戦初期の中国民族運動──二十一カ条要求と中国民衆:味岡徹

  • 日本帝国主義の経済構造──第一次大戦ブームと1920年恐慌の帰結:武田晴人

  • プロイセン国有鉄道とドイツ帝国主義財政:松井坦

1978年度大会の記録

帝国主義支配の時代・構造と民衆

  • 清末の国家と民衆──光緒新政期の諸問題:高橋孝助

  • 近代日本における「市民社会」の形成と問題点:金原左門

  • イギリス帝国史と植民地問題:山口博一

1977年度大会の記録


  • 笠原十九司中国民族産業の発展とブルジョアジ──五四運動期の上海を中心に

  • 西川博史日本帝国主義と綿紡績独占体

  • 権上康男フランス帝国主義と極東──1895-1929年期のインドシナ銀行を中心にして

2001年度大会の記録

都市における移住者の世界
──戦間期の社会変容と国民化


  • 移住者たちがつくる都市ロスアンジェルス──多人種社会における「アメリカ人」の意味:松本悠子

  • 戦前期在日朝鮮人の社会的結合・文化・アイデンティティ:外村大

  • 「ウィーンのユダヤ人──同化と異化のはざまで」:野村真理

2000年度大会の記録

構成される〈地域〉

  • 国民形成期における地域の独自性──フランス・ブルターニュ地方の事例から:原聖

  • 〈東北〉史の意味と射程:河西英通

  • コメント:テッサ・モーリス=スズキ

1999年度大会の記録

総力戦体制と農民
──〈民衆〉概念の再検討


  • 総力戦下の「ブロック内食糧自給構想」と満州農業移民:玉真之介

  • 戦時体制下の朝鮮農民──「農村再編成」の文脈:松本武祝

  • 歴史記述の政治学──記述をめぐる〈力の領域〉:長原豊

1998年度大会の記録

近代社会とマイノリティ

  • 米国における国民的アイデンティティの形成と人種:辻内鏡人

  • 「沖縄」という当事者性の展開──「琉球民族」への視点を通して:屋嘉比収

  • ケーララ(インド)における母系制の解体と女性──「近代化」と「ヒンドゥー化」の狭間で:粟屋利江

1997年度大会の記録

近代社会システムとしての
公衆衛生


  • 都市衛生システムの構築と社会的差別:安保則夫

  • 世紀転換期ドイツの社会衛生学──A・グロートヤーンの言説を手がかりに:川越修

  • 近代中国における「衛生」の展開──20世紀初期「満州」を中心に:飯島渉

1996年度大会の記録

〈われわれ〉と〈かれら〉
──自他認識という近代の経験


  • アーリヤ・サマージのカースト再編運動:藤井毅

  • トルキスタン人の生成とその行方──フィトラトの軌跡を中心に:小松久男

  • 「国民」化という支配──多民族帝国としての「日本国民」概念:小熊英二

1995年度大会の記録

民衆運動と
「国民」創出・
ナショナリズム


  • 大韓帝国期の民衆運動:趙景達

  • 「国民」形成と地域社会──ターボル運動を例として:篠原琢

  • 明治期民衆の「政事」観念と「国民」意識:牧原憲夫

1994年度大会の記録

第1次世界大戦後の
農村における
「民衆世界」の変容


  • 日本近現代史の転換点──第1次世界大戦後の農村社会:大門正克

  • 後期ワイマールのグーツの世界──近代ドイツ農村社会と農業労働者:足立芳宏

1993年度大会の記録

近代国家形成期
「国家構想」への社会参加


  • 井上毅における「国家」と「国民」:大庭邦彦

  • 近代中国の旧奉天省地方権力と地域エリート:江夏由樹

  • フランス第2帝政下における村の「国民祭典」──シャンパーニュ地方の事例:工藤光一

1992年度大会の記録

労働者 -2-
その「前近代」性と「近代」性


  • エジプト綿花経済における「不自由な賃労働」──イズバ型労働制度をめぐって:長沢栄治

  • 直系家族型世帯と労働市場──日本の比較史的位置:斎藤修

  • 雇用関係と労働者の独立:森建資

1991年度大会の記録

労働者
──その結合の形態と論理


  • 19世紀スウェーデン社会と労働組合運動:石原俊時

  • 日本労働者の自己意識の変遷と社会形成:東条由紀彦

  • 民国期中国労働者の構成・意識・組織:菊池敏夫;久保亨

1990年度大会の記録

近代世界における
移植民と国民統合


  • 近代日本の移民・植民活動と中間層:木村健二

  • イタリア自由主義期における移民と植民:北村暁夫

  • パレスチナ植民運動と世界システム:岡野内正

2007年7月16日月曜日

2007年度大会の記録

学校教育と「マイノリティ」
東京大学駒場キャンパス
[趣旨説明]

  • 学校ができ、そこに子どもが通う──近代アイヌ教育政策史における学校の問題──: 小川正人

  • 近代ハンガリーにおける初等教育の制度化と宗派的・言語的マイノリティ:渡邊昭子

  • 意図せざる覚醒? 蘭領東インド期〈近代的女子イスラーム学校〉の誕生:服部美奈

  • コメント:趙景達・秋葉淳

2006年度大会の記録

「宗教/世俗」の近代
明治大学駿河台校舎
[趣旨説明]

  • 18世紀後半〜19世紀前半ドイツにおける国家・教会・民衆宗教:下田淳

  • 植民地下スリランカにおける宗教と政治:川島耕司

  • 近代日本における宗教と世俗──「土着的なるもの」の分節化──:磯前順一

  • コメント:小川了

2005年度大会の記録

近代化における「伝統的」民衆運動の再検討
明治大学駿河台校舎
[趣旨説明]

  • 語られる手段としての暴力──甲州騒動・世直し騒動、そして秩父事件──:須田努

  • ビルマ農民大反乱(1930〜1932年)に関する一考察──農民蜂起の意識過程──:伊野憲治

  • 1930年代スペインの農民運動──持続と変容──:中塚次郎

  • コメント:太田好信・南塚信吾

2004年度大会の記録

帝国と地域主義
一橋大学国立キャンパス
[趣旨説明]

  • 戦間期日本の国際秩序論:酒井哲哉

  • 戦後初期イギリスの東南アジア認識:都丸潤子

  • コメント:戸邉秀明

2003年度大会の記録

科学と帝国
駒澤大学駒沢キャンパス
[趣旨説明]

  • 上海自然科学研究所における研究と科学者の行動規範:加藤茂生

  • 熱帯医学とマラリア研究──20世紀前半の英領インド──:脇村孝平

  • コメント:塚原東吾・米谷匡史

2002年度大会の記録

消費からみる「労働者」
──経済構造と主体形成──

立教大学池袋キャンパス
[趣旨説明]

  • 最近のドイツにおける「消費史」研究と消費の観点から見た「帝政期ドイツの新中間層」:雨宮昭彦

  • スターリン体制下の消費と社会的アイデンティティ──「消費ヒエラルヒー」下の労働者──:松井康浩

  • 戦後神奈川における生協運動の経験──「労働者」と「婦人」・「在日朝鮮人」をめぐって──:及川英二郎

2007年7月14日土曜日

2007年度大会報告批判例会のお知らせ

2007年度の大会報告批判例会を開催します。

日時:714日(土)、13:00〜16:00
会場:早稲田大学戸山キャンパス(文学部)31号館207教室(スロープを登ってすぐ正面の建物です)
報告者:古川宣子さん、上田誠二さん

「批判会」とはやや大仰な名称ですが、今年度の大会(趣旨文、報告、コメント、討論などすべて)に対するコメント・ご意見を頂く例会です。趣旨文を作成した部会運営委員も多数参加しますので、ここでのご批判ご意見を来年度の大会テーマに生かしたいと思っております。

みなさまのご参加をお待ちしています。はしか騒動で歴研大会の参加を見送られた方も、また当日は現代史部会に浮気してしまった方も、是非ご参加下さい。

2007年6月22日金曜日

公開講演会「中東・イスラーム世界の素顔を知る」のご案内

ご案内をいただきましたので、ご紹介致します。

公開講演会「中東・イスラーム世界の素顔を知る」
(主催:日本中東学会、共催:NIHUプログラム イスラーム地域研究)

(入場無料・参加自由)
いわゆる「9・11事件」やイラク戦争のためもあってか、過去数年、日本社会に住む私たちが中東あるいはイスラームをめぐる情報に触れる機会は爆発的に増えました。しかし、それによって私たちの中東・イスラーム認識が本当に深まったのかどうか、疑問も残ります。「テロ」や「戦争」との関連でのみ繰り返される報道・ニュース解説等の氾濫のなかで、逆に中東・イスラーム世界に住む人々の暮らしの実態とは乖離した、歪んだイメージが一人歩きする傾向もあるかもしれません。
この講演会では、人類学あるいは歴史学の手法に基づいて長年現地で調査をおこない、従来のステレオタイプにとらわれない独創的な成果を挙げてきた二人の研究者の講演を通じて、イスラームとは何か、中東の社会はどのような社会なのかに関して考えたいと思います。質疑応答や討論の時間も充実させる予定ですので、ふるってご参加下さい。
日頃教育に携わるなかで中東・イスラームをどう教えるか悩んでいる高校や中学の先生方、あるいはNGO活動等で中東と関わろうとしている方々の参加も歓迎します。

日 時
2007年630日(土)14時〜18時(開場13時半)

プログラム(予定)
14:10〜5:10 片倉もとこ(国際日本文化研究センター所長・国立民族学博物館名誉教授)
   「イスラームの日常世界——人間観をめぐって」
15:20〜16:20大稔哲也(東京大学大学院人文社会系研究科准教授)
   「カイロの庶民街から見たコプトとムスリム ——ムスリム社会における諸宗教の共存」
16:30〜18:00 討論

会 場
千葉大学 西千葉キャンパス けやき会館 大ホール
(JR西千葉駅下車徒歩数分。千葉大正門を入ってすぐ。ホームページ http://www.chiba-u.ac.jpの地図をご参照ください)。
主 催
日本中東学会
共 催
NIHUプログラム イスラーム地域研究
お問い合わせ
日本中東学会
〒102-8554
東京都千代田区紀尾井町7-1
上智大学アジア文化研究所気付 日本中東学会事務局
Tel 03-3238-3693
e-mail: james@db3.so-net.ne.jp
  【迷惑防止のため、@マークは全角になっています】

2007年6月16日土曜日

ガヤトリ・スピヴァク教授講演会のご案内

スピヴァク教授講演会のご案内をいただきましたので、このブログでもご紹介致します。

コロンビア大学人文学部教授ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァク氏の講演会を一橋大学大学院言語社会研究科および社会学研究科共同主催の形で行います。


ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァクさんは過去四半世紀にわたり、人文=社会科学の既成の方法論を根底から揺るがす、世界的な知的震源地であり続けてきました。フランスの哲学者ジャック・デリダの主著『グラマトロジーについて』の英訳者、その卓抜な序論の著者として一躍世界にその名を知られることになったスピヴァクさんは、その後、フェミニズム、第三世界論、マルクス主義、歴史学、比較文学、哲学など、いくつもの領域を横断しながら、誰よりも果敢で大胆な学問的介入を実践してきました。

西洋フェミニズムを非西洋女性の立場から批判してその尖鋭な潜在性を引き出すとともに、第三世界のポスト植民地国家の欺瞞性を社会の底辺に釘付けにされた女性の立場から照らし出すことで、スピヴァクさんは、オクシデント対オリエントという旧来の対立を超える独自の立場を創出してきました。

また、『資本論』を脱構築的に読み替えてジェンダー化された国際分業体制の分析を進めるとともに、語る可能性を奪われた人々=「サバルタン」の位置から歴史記述の主体の構造を問い直すことで、世界観、歴史観のラディカルな刷新に貢献してきました。

そして、文学テクストの類いまれな繊細な読み手として、世界文学史上の古典と、20世紀の「南」の文学の諸作品の比較論的考察を通して、これまで理論の言葉で語られたことのなかった「惑星思考」を導き出してきました。

スピヴァクさんは今、西ベンガルの農村における教育実践への参加を経て、いくつもの文化的、階級的断層が走るこの世界における、教育の可能性に関する透徹した省察に裏打ちされた、新しい人文学の発明を提唱しています。グローバル化と大学教育の危機が進行するなか、時代のアポリアと格闘し続けるアジアの知性の言葉に、私たちは今こそ耳を傾けるべき時でしょう。

以下、日程を抄録します。
日(土)「人文学における学問的アクティヴィズム」@一橋大学
710日(火)「比較文学再考」@佐眞真美術館(沖縄県宜野湾市)
714日(土)非公開研究者会議「ガヤトリ・C・スピヴァクとの対話」@お茶の水女子大学
718日(水)「他のアジア」@国際文化会館岩崎小弥太記念ホール

2007年6月4日月曜日

ありがとうございました

たくさん皆様のご参加を頂き、歴史学研究会大会近代史部会は無事終了致しました。ありがとうございました。
今年度は例年に比して若い方々のご参加がとても多く、企画者としても驚いています。
また報告者の服部さん・渡邊さん・小川さん、コメンテータの秋葉さん・趙さん、司会の三宅さん、ほんとうにありがとうございました。
今後とも宜しくお願い申し上げます。

来年の歴研大会は2008年5月17日・18日の両日、早稲田大学西早稲田キャンパスにて開催されるそうです。

2007年6月1日金曜日

2007年度 歴史学研究会大会 近代史部会のご案内

前略 6月2日から3日にかけて2007年度歴史学研究会大会が開催されますが、3日の近代史部会における報告についてご案内申し上げます。
多くの方にご参加いただき、活発な議論をおこなうことができれば幸いです。
ご多用中とは存じますが、みなさま誘いあわせのうえ、是非ともお越しくださいますようお願い致します。

草々

【日 時】2007年63日(土) 10:30-

【会 場】東京大学 駒場キャンパス 11号館 1108教室 (210名収容)
     東京都目黒区
     ・京王井の頭線 駒場東大前駅 下車
     *大学周辺・学内の地図は、下記をご参照ください。
     [大学周辺]
     [学内]

【報告者】
・服部 美奈 氏「意図せざる覚醒? 蘭領東インド期〈近代的女子イスラーム学校〉の誕生」
・渡邊 昭子 氏「近代ハンガリーにおける初等教育の制度化と宗派的・言語的マイノリティ」
・小川 正人 氏「学校ができ、そこに子どもが通う−近代アイヌ教育政策史における学校の問題」
・コメンテーター : 趙 景達 氏、秋葉 淳 氏
・司会:三宅 明正 氏

【予定時間】
・10:30 趣旨説明
・10:50 報告−服部氏
・11:40 報告−渡邊氏
・12:30 休憩
・13:30 報告−小川氏
・14:20 休憩
・14:40 コメント−趙氏
・15:00 コメント−秋葉氏 
・15:20 休憩
・15:50 リプライ
・16:10 討論
・17:30 終了

近代史部会運営委員会内規

近代史部会運営委員会内規

名称および目的
1.近代史部会は、歴史学研究会会則第7条に基づいて結成された研究部会である。
2.近代史部会運営委員会(以下「運営委員会」と略す)は、近代史部会の運営および事務を行う。

運営委員の任免
1.運営委員会は運営委員によって構成する。
2.運営委員は、近代史部会に参加する者の中から、運営委員会の推薦あるいは自薦により委嘱する。
3.運営委員会委員長は、運営委員が互選する。
4.運営委員の任期は、原則一年とする。やむを得ぬ事情があるとき、運営委員会の承認を経て、運営委員を退任することができる。
5.運営委員は近代史部会の運営にその責を負う。
6.運営委員の欠員によって運営委員会の事務に遅滞が生じる場合、運営委員会は、本部委員会に必要な処置を要請する。

運営委員会の役務
1.運営委員会は、近代史部会の運営の統括を行い、必要に応じてミーティングを行う。
2.運営委員会委員長は、歴史学研究会会則第7条に規定された「部会責任者」として、部会連絡会に出席する。
3.運営委員は、研究会および大会の運営実務全般を担う。
4.以下の事項については、その事項を統括する担当の委員をおく。
・財務担当委員。出納管理、交通費補助について報告者へ説明を行う。
・スケジュール担当委員。ミーティングの日程調整、報告者の日程の把握を行う。
・連係担当。他研究会の動向把握、企画運営協力・共催の検討、宣伝広報を行う。
・大会趣旨文担当。近代史部会大会の趣旨文を作成する。

参与
1.参与は、運営委員会に対して大会および例会の企画助言を行う。
2.参与は、専門知識を有する研究者、大学院生および会員の中から、運営委員会が委嘱する。
3.参与は、近代史部会の運営の実務には責を負わない。

2007年5月19日土曜日

5月例会「修士論文報告会」のお知らせ

修士論文報告会を開催しました。
日時:2007年5月19日(土) 12:00-16:00
会場:早稲田大学戸山キャンパス
   31号館205教室(27名収容) 正門からスロープを登ってすぐ手間の建物です。
   東京都新宿区戸山1-24-1
    ・JR山手線・西武新宿線「高田馬場駅」よりバスで約10分、徒歩約20分。
    ・地下鉄(東京メトロ東西線)「早稲田駅」より徒歩約5分。
    *大学周辺・学内の地図は、下記をご参照ください。
報告:2006年度提出修士論文報告・批評会
報告者:
   熊坂渉さん「1848/49年革命期のドイツにおける普通選挙の成立」
   諸井弘輔さん「1860年代におけるシュトロスマイエル司教にする一考察
         ——その政治・国家思想と「南スラヴ科学芸術アカデミー」の創設を中心に」
予定時間:報告者一名につき、報告50分+質疑・討論50分+休憩10分

当日は、資料代300円の徴収にご協力ください。

2007年2月12日月曜日

2月例会「音楽からみる歴史と社会」のお知らせ

下記の日程と内容で2月例会を開催いたしました。
今回は近代世界と「音楽」をテーマとし、2名の報告者の方に個別の研究報告をお願いいたしました。芸能に対する人々の意識の変容
と、ナショナリズムに関するご報告です。

音楽からみる歴史と社会
−芸能の「創出」「復興」とナショナリズム−

日時:2月12日(月・振替休日)14:00〜17:30
場所:世界史研究所 10階会議室
   〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2丁目17番 3号 渋谷アイビスビル10F

報告者:
  上田誠二氏「昭和戦前期の学校音楽と流行歌—日本教育音楽協会と中山晋平の動きを中心に」
  横井雅子氏「彼らは何を変えたのか—ハンガリーのターンツハーズ運動をめぐって」

タイムスケジュール:
  14:00~14:10 運営委員より趣旨説明
  14:10~15:10 上田氏報告
  15:10~15:40 上田氏に関する質疑応答
  15:40~15:50 休憩
  15:50~16:50 横井氏報告
  16:50~17:20 横井氏に関する質疑応答

*当日は、レジュメ代300円の徴収にご協力ください。

2007年1月27日土曜日

1月例会のお知らせ

1月例会を開催しました。
今回は西洋近現代史研究会との合同例会として、2名の報告者の方に個別の研究報告をお願いいたしました。

<西洋近現代史研究会・歴史学研究会近代史部会 合同例会>
日時:2007年1月27日(土) 13:00〜18:15(終了予定)

会場:青山学院大学青山キャンパス 総研ビル(14号館)第17会議室
    東京都渋谷区渋谷4−4−25
    ・JR山手線、東急線、京王井の頭線「渋谷駅」宮益坂方面出口から徒歩10分
    ・地下鉄「表参道駅」B1出口より徒歩5分

内容:第1報告
    崎山直樹 氏(千葉大学大学院博士課程)
    1840年代ダブリンにおけるリピール運動− 複数の国民観のはざまで−
   第2報告
    浅田進史氏(千葉大学COEフェロー)
    膠州湾租借地におけるドイツ植民地統治と社会秩序(1897-1914)

スケジュール(予定):
13:00〜14:00 第1報告(崎山氏)
14:00〜15:30 第1報告についての質疑応答
15:30〜15:45 休憩
15:45〜16:45 第2報告(浅田氏)
16:45〜18:15 第2報告についての質疑応答

*今回は、西洋近現代史研究会との合同例会のため、資料代300円の徴収はありません。