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2010年11月17日水曜日

アジア民衆史研究会 2010年度第1回研究会


アジア民衆史研究会の研究会情報です。

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2010年度
アジア民衆史研究会 第1回研究会

日時:2010年11月20日(土)
13:00~13:30  総会
14:00~18:00  研究会

研究会報告タイトル

渋谷詩織氏「近世後期の海防と地域―九十九里浜を事例にー」
田中元暁氏「西周の留学以前」
伊藤俊介氏「甲午改革における警察制度改革と朝鮮国内の反応」

会場:早稲田大学戸山キャンパス(文学部) 34号館第2会議室早稲田駅(東京メトロ東西線)より徒歩3分

2010年11月15日月曜日

第190回「歴史と人間」研究会:言語論的転回以降の歴史学

「歴史と人間」研究会から研究会のお知らせをいただきました。
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第190回「歴史と人間」研究会のご案内

このたび「歴史と人間」研究会では、下記のとおり年末の特別企画の研究会を開催することになりました。お忙しい時期と存じますが、奮ってご参加くださいますようご案内申し上げます。

                 記

       ◆◆言語論的転回以降の歴史学◆◆

 いわゆる「言語論的転回」以降、歴史学においても象徴や言説が担う機能への関心が高まり、それが現実の世界とどのような関係にあるのかが問われるようになりました。しかし、言説分析の方法が古典的な実証主義といかに統合されるべきかという問題は、依然として曖昧なまま現在にいたっているように思われます。
 そのなかで今年、歴史学における言語論的転回を象徴する作品であり、刊行以来、歴史学方法論をめぐるさまざまな議論を喚起してきたギャレス・ステッドマン・ジョーンズの『階級という言語』(1983年)が、日本語に翻訳されました。そこで、今回の特別企画では、訳者である長谷川貴彦氏をお招きし、今後の展望も交えながら『階級という言語』が現代歴史学にとってもつ意義について語っていただきます。
 長谷川氏の報告にたいして、言説分析の立場から森村敏己氏が、また実証主義の立場から見市雅俊氏が、それぞれコメントを加えます。私たちはどのように史料と向き合い、どのような方法で歴史を描きだしたらよいのでしょうか。歴史研究の方法について、あらためて深く議論する場になることを期待します。

■日時 2010年12月19日(日)14:00~17:45
■場所 一橋大学西キャンパス職員集会所
(キャンパス地図6番 http://www.hit-u.ac.jp/annai/campus/index.html
■プログラム
 【基調報告】長谷川貴彦氏(北海道大学)「現代歴史学のなかの『階級という言語』」
 【コメント1】森村敏己氏(一橋大学)
 【コメント2】見市雅俊氏(中央大学)
  司会進行:梅垣千尋(青山学院女子短期大学)

※ なお、会の終了後、同じ会場において恒例の忘年会(会費1,500円)を開催いたしますので、こちらも奮ってご参加下さい。とくに年長の方々からの食べ物や飲み物などの差し入れを歓迎いたします。


詳細はこちら↓
http://www7b.biglobe.ne.jp/~reki-nin/index.html.txt

2010年8月30日月曜日

WINC9月例会《安丸良夫さんと読む安丸民衆思想史》

WINCさまより下記のご案内をいただきました。
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戦後歴史学の代表的な潮流をつくられた民衆思想史家のお一人、安丸良夫さん
の思想史研究を検討する論集が今春刊行されました。これは安丸さんも編者となって
自伝的考察と、各論者へのコメントを寄せられるという充実した論集となっています。

この論集をめぐって、東京外国語大学で開かれているWINCというワークショップに
て合評会が開催されます。

安丸良夫さんご本人に参加していただいて、先だってぺりかん社から公刊された
安丸良夫・磯前順一編
『安丸思想史への対論-文明化・民衆・両義性-』を検討します。
というよりも、この本を導入として、
安丸思想史の滋養をもう一度存分に吸収させていただく機会にしたいと思います。

提題者としては、おひとりは『戦死者霊魂のゆくえ――戦争と民俗』や
『「お墓」の誕生―― 死者祭祀の民俗誌』でよく知られている、
民俗学者・近代史家の岩田重則さんにお願いし、
またWINCサイドから、歴史家の成田龍一さん、思想史の岩崎稔さんの3人に
引き受けてもらっています。

9月25日ですので、もう大学が始まってしまい、お忙しいかもしれませんが、
ご案内をさせていただきます。
興味のありそうな方には、ご紹介をいただければ、幸いです。

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WINC9月例会 《安丸良夫さんと読む安丸民衆思想史》

■ 日時 2010年9月25日土曜日 午後2時から

■ 場所 東京外国語大学海外事情研究所 研究講義棟四階 427

   ※ 東京外国語大学の住所は「府中市朝日町3-11-1」です。
    西武多摩川線(中央線武蔵境駅にてのりかえ)多磨駅下車徒歩4分
    あるいは、京王線飛田給駅下車北口からの循環バスで5分、
    「東京外国語大学前」下車です。心配な方は、
東京外国語大学のホームページ上の案内図を参考にしてください。
    URLは、  
     http://www.tufs.ac.jp/access/tama.html
    です。

■ 課題文献
  安丸良夫、磯前順一編
  『安丸思想史への対論―文明化・民衆・両義性』(ぺりかん社、2010年)
  また同時に、『思想』2010年8月号の小田中直樹さんたちを相手とした
  安丸さんの鼎談でのご議論も参考にしてください。

■ コーディネーターと提題者
提題者: 岩田重則さん(学芸大学/民俗学)
      成田龍一さん(日本女子大学/歴史学)
      岩崎稔さん(東京外国語大学/思想史)
応答者:  安丸良夫さん(歴史家)

2010年7月8日木曜日

ドイツ現代史学会

ドイツ現代史学会より下記のとおり大会のご案内をいただきました。
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● ドイツ現代史学会2010年 第33回大会のご案内

日 時: 2010年9月18日(土)・19日(日)
会 場: 関西大学高槻キャンパス内「高岳館」(〒569-1095 高槻市霊仙寺町2-1-1)

◆ 大会プログラム

9月18日(土)
ワークショップ(13:00~17:30)
会場:大教室
第1報告:増田好純(東京大学):ナチドイツにおける労働動員――ユンカース航空機・発動機製作所を例に
第2報告:石井香江(四天王寺大学):象徴をめぐる政治と電話交換手のエージェンシー
第3報告:佐藤公紀(東京大学):ヴァイマル期ドイツにおける釈放者扶助の展開とその論理
第4報告:村上宏昭(関西大学):ヴァイマル期人口言説と有識者集団の成立
総会(17:30~18:00):大教室
懇親会(18:00~20:30):食堂

9月19日(日)
シンポジウム(10:00~16:00)
テーマ:ドイツ史のなかの「68年」
司会:西田 慎(神戸大学)
会場:大教室
第1部:報告(10:00~12:00)
 趣旨説明:西田 慎(神戸大学)
 第1報告:井関正久(中央大学):東ドイツにおける「1968年」の意義
 第2報告:田中晶子(京都市立芸術大学):「1968年」のアメリカニズム
 第3報告:水戸部由枝(明治大学):ドイツの「68年運動」と「性の解放」
昼休み(12:00~13:30)
第2部:討論(13:30~16:00)
 コメンテータ:小熊英二(慶応義塾大学)・高橋秀寿(立命館大学)

2010年7月1日
ドイツ現代史学会 第33回大会世話人 
 田野大輔(甲南大学)
 石井香江(四天王寺大学)


◆ 参加費用
 参加費:一般2000円、院生・学生1000円(その他、必要に応じて宿泊費・懇親会費)

◆ 関西大学高槻キャンパスへのアクセス
以下のURLをご覧下さい。

 キャンパスマップ
 http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/maptakatsuki.html
 交通アクセス
 http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/access.html#takatsuki
 「大阪」駅からJR京都線で「摂津富田」駅下車
 「京都」駅からJR京都線で「高槻」駅(新快速停車)下車

◆ 連絡先

住所 〒583-8501 大阪府羽曳野市学園前3丁目2-1
    四天王寺大学人文社会学部気付 ドイツ現代史学会事務局 石井香江
電話番号 TEL.072-956-3181(代表)

◆ 注意:お申し込み方法、宿泊費・懇親会費などの詳細については、あらためてメールにてご連絡を差し上げます。また、郵送でのご案内状を希望され
る方は、次の宛て先 kae@shitennoji.ac.jp まで、郵送先をお知らせくださいますよう、お願いいたします。



2010年1月26日火曜日

早稲田大学梅森研究室・公開特別講義:シカゴ大学モイシャ・ポストン「'Time, Labor, and Social Domination' 以後 現代グローバリズムの諸問題」

*早稲田大学政治学研究科・梅森直之研究室より以下の企画のご案内をいただきました。
*****

このたび梅森直之研究室にて、シカゴ大学のモイシャ・ポストン氏をお招きし、特別講義「'Time,    Labor, and Social Domination' 以後現代グローバリズムの諸問題」を開催する運びとなりました。詳細は下記案内文をご参照ください。またポスターにつきましては、梅森ゼミのサイト http://d.hatena.ne.jp/ummr/20100121 をご参照ください。

時節柄何かとお忙しいこととは存じますが、ぜひ多くの方にご参加頂きたく思います。
もし可能でしたならば、お知り合いの皆様にもご案内頂ければ幸甚に存じます。何卒宜しくお願い致します。
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シカゴ大学歴史学部 モイシャ・ポストン教授 特別講義
「'Time, Labor, and Social Domination' 以後 現代グローバリズムの諸問題:
  ロバート・ブレナー、ジョバンニ・アリギ、デヴィット・ハーヴェイを『資本論』の論理から批判する」


日時:2010年1月29日(金)17時~20時
場所:早稲田大学 早稲田キャンパス11号館 506教室(http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html
講師:モイシャ・ポストン(シカゴ大学歴史学部教授 http://history.uchicago.edu/faculty/postone.shtml
モデレーター:梅森直之(早稲田大学政治経済学術院教授 http://d.hatena.ne.jp/ummr/
参加費:無料
使用言語:英語
主催:早稲田大学 梅森直之研究室 ポストン来日特別講義実行委員会
ポスター:カラー版JPEG http://bit.ly/6AWqNu
     PDF (1.6MB) http://bit.ly/51fhJv
     モノクロ版 http://bit.ly/6J7e8Bl
     PDF (1MB) http://bit.ly/7Lbbf1

『時間、労働、社会的支配』推薦のことば(原著裏表紙より)

「ポストン氏は、後期マルクスの社会経済学理論について、デヴィッド・ハーヴェイの『資本の限界』(1982年)以来、最も卓越した分析を成し遂げた。これはまぎれもなく長年にわたる研究と熟考の成果である。それだけ待つ価値は十分にあったと 言わせるだけの仕事である」
──デヴィッド・マクレラン(American Political Science Review)

「この複雑で、濃密な、よく練られていて読みごたえのある研究論文において、モイシャ・ポストン氏は、『資本論』の核心の構造を基礎から再構成し、再解釈してみせた。ポストン氏の議論は厳密で重厚なものであり、資本主義の力学について異なった見解をもつ者にとっても、本書は必読の書であると言える」
──ボブ・ジェソップ (American Journal of Sociology)

「モイシャ・ポストン氏が着手した野心的な企ては、これまで為されてきたような、誤解を招きやすい歴史超越的な一般化の手法によってではなく、マルクスの思想を、まさにマルクス自身が意図していたところの、歴史的特殊性のレンズを通して見ることによって甦らせることにあった。その説得力に満ちた議論の道程をきちんとたどる読者には十分に報いる学的解読である」
──ロバート・ハイルブ ロナー(New School for Social Research)

「久しく待ち望まれていたマルクス主義理論の再構成。モイシャ・ポストン氏は、なぜ[資本主義の危機]は根本的な変革なくして終焉しえないのかということについて、新しい、想像力に富んだ説明を施している。そうすることで、彼は、しばしば嘆かれてきた、フランクフルト学派の批判理論がもつ「経済学的なるものの欠如」を補填するという、長い道のりを歩むのである」
──マーティン・ジェイ (カルフォルニア大学バークレー校)

「これは、最近、新たに成長しているマルクス主義を主題とした文献のなかでも、マルクスの批判理論を最も深いところから考え直した作品である」
──トーマス・マッカーシー(ノースウェスタン大学)

「基本に帰れ」と言われるときにありがちな無味乾燥さはここにはない。彼の読解は、商品、労働、価値、時間などといったカテゴリーを20世紀に為されたいかなる解釈にも劣らないほど、魅力的なものとして呈示する。近年の議論はまさにマルクス理論が指示するものをいかにして延期するかについて論じてきたわけだが、『経済学批判要綱』から得られるポスト資本主義的なビジョンに接合されるとき、マルクスのプロジェクトは、たちまち生き生きとしたものとして現 われてくる」
──ジーン・シューラー(Telos)

「ポストン氏の主張は重要であり、挑発的である」
──サイモン・クラーク (Contemporary Sociology)

2009年11月13日金曜日

ワークショップ:千葉大学大学院人文社会科学研究科 国際研究交流論

千葉大学大学院人文社会科学研究科より以下の企画のご案内を頂きました。 

千葉大学大学院人文社会科学研究科 国際研究交流論 ワークショップ開催のおしらせ
歴史学研究会
  会員各位

 いつもお世話になっております。
  下記ワークショップの開催についてお知らせいたします。
  ご参加いただければ幸いです。

 千葉大学大学院人文社会科学研究科国際ワークショップ
 The Empire Strikes Back ; A Comparison of the domestic Impact of War onJapan and the United States

 日時 2009年11月28日(土)13時~

 場所 渋谷区アイビスビル10階 世界史研究所スカイラウンジ

 講演者 ルイーズ・ヤング(ウィスコンシン大学マディソン校)

 使用言語 英語・日本語

 主催 千葉大学大学院人文社会科学研究科大学院GP「実践的公共学実質化のための教育プログラム」

 共催 世界史研究所

 連絡先 千葉大学大学院人文社会科学研究科教育支援室

 担当 崎山直樹 sakiyama@shd.chiba-u.ac.jp 043-290-3823

2008年11月13日木曜日

シンポジウム「国民国家形成期の民衆運動と政治文化」

 アジア民衆史研究会より以下の企画のご案内を頂きましたのでここに掲載いたします。

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人間文化研究機構アジア民衆史研究会 シンポジウム

国民国家形成期の民衆運動と政治文化

主催:人間文化研究機構連携研究「国民国家の比較史的研究」班

共催:アジア民衆史研究会

日時:1129日(土)930分~1730

場所:明治大学駿河台校舎 リバティータワー8階 1083教室

問題提起:趙景達(朝鮮近代史、千葉大学文学部教授)

基調講演:深谷克己(日本近世史、早稲田大学文学学術院教授)
「東アジア法文明圏と政治文化-『百姓成立』論の視界-」


報告者:

久留島浩(日本近世史、国立歴史民俗博物館教授)
「近世後期地域社会の運営と民衆運動-19世紀の美作地域を中心に-」

秋葉淳(オスマン帝国史、千葉大学文学部准教授)
「19世紀オスマン帝国における改革と抵抗―アナトリアの事例から-」

藤谷浩悦(中国近代史、東京女学館大学教授)
「民国初期の政治的統合と地域社会―第二革命前後の湖南省を中心に―」

愼蒼宇(朝鮮近代史、都留文科大学講師)
「武装せる『無頼之徒』-韓国併合期における抗日蜂起とその政治文化-」

割田聖史(ドイツ−ポーランド近代史、宮城学院女子大学准教授)
「異化と統合のはざまで-帝都ベルリンのポーランド人-」


コメント:石田憲(国際政治史、千葉大学教授)


全体討論司会・総括:須田努(日本近世史、明治大学准教授)


事前のお申し込みは必要ありません。みなさまのご参加をお待ちしています。

2008年10月8日水曜日

同時代史学会 第20回定例研究会のお知らせ

 同時代史学会より、第20回定例研究会のお知らせを頂いたので掲載いたします。

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同時代史学会 第20回定例研究会

戦後社会と映画文化

日時:2008年118日(土)、14:00〜18:00

会場:立教大学12号館 第1・2会議室(池袋キャンパス)[地図]
詳細は[同時代史学会定例研究会のページ]をご参照下さい。

報告者:
木村智哉氏
「アニメーションの消費文化への展開―東映動画における作品と制作者の動向を例に」
千葉慶
「日米安保体制と裕次郎映画―戦後日本映画における〈植民地的主体〉意識の臨界点をめぐって」

コメント:

お問い合わせ先:
〒186-8601 東京都国立市中2-1
一橋大学経済学部 森武麿研究室
E-mail: maro☆econ.hit-u.ac.jp(☆を@に変更)
Tel・Fax:042-580-8905

2008年9月8日月曜日

総合部会2008年度第1回例会のご案内

 歴史学研究会本部より、総合部会2008年度第1回例会のご案内です。
 みなさまのご参加をお持ちしております。

歴史学研究会総合部会 2008年度 第1回例会

公文書管理法と歴史学

有識者会議中間報告の射程と課題

日時:2008年921日(日)、13:00〜17:00

資料代:300円

会場:東京大学本郷キャンパス 法文1号館1階113教室[地図]
詳細は[歴史学研究会の部会活動のページ]をご参照下さい。

報告者:
加藤陽子氏「未来を燃やさないために-公文書管理をめぐる次の一歩」
安藤正人氏「『中間報告』を読んで-アーカイブズ学の立場から」
吉田裕氏「公文書の保存・公開問題と日本近現代史研究」

お問い合わせ先:歴史学研究会事務局
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-2 誠華ビル
Tel: 03-3261-4985 Fax: 03-3261-4993

2008年7月16日水曜日

アジア民衆史研究会2008年度第1回シンポジウムのご案内

 アジア民衆史研究会より、下記の企画のご案内をいただきましたので、掲載いたします。

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アジア民衆史研究会2008年度第1回シンポジウムのご案内



「警察」をめぐる

ポリティクス




東アジアにおける民衆の世界観 (8)

日時:2008727日(日)、14時から


報告:
 愼蒼宇 「近代朝鮮における警察と民衆」
 大日方純夫 (題目未定)


会場:早稲田大学染谷国際記念会館
東京都新宿区西早稲田2-3-4
早稲田駅(地下鉄/東西線)出口1より徒歩10分
※AVACO(財団法人基督教視聴覚センター)となり


2008年度アジア民衆史研究会では、「「警察」をめぐるポリティクス」を年度テーマに掲げ、「警察」と民衆が接触するミクロな範囲を対象とし、そこにおける権力と民衆との複雑な関係性を議論することで、近世・近代移行期における民衆の世界観の一端を明らかにしたい。

 これまでアジア民衆史研究会では2001年度以来、中長期的なテーマとして「東アジアにおける民衆の世界観」を掲げてきた。そこでは、空間・時間・人間に関わる意識総体を〈世界観〉として把握し、そこからアジア地域における民衆の主体形成の問題を検討することを課題としている。

 このテーマのもと、「君主観と主体の形成」(2001年度)、「他者をめぐる空間認識」(2002年度)、「他者をめぐる空間認識Ⅱ」(2003年度)、「移動・接触からみる空間認識」(2004年度)、「ウェスタンインパクトはいかに語られたか」(2005年度)の年度テーマを掲げて議論を重ねてきた。

 しかし、これらの議論は最終的には国民国家論に還元されてしまうだけではないのか、という課題が生じてきた。そこで、人々の生活世界における身近で微細な権力・政治の闘争をポリティクスとし、ある「場」にあらわれるポリティクスに注目して、そこから民衆の思考や行動をみることとした。2006年度は「死をめぐるポリティクス」を年度テーマに掲げ、死者の葬り方や墓地のあり方などに対し、近世・近代移行期の権力が多様なかたちで介入し、地域社会や民衆との相克を孕みつつ、新たな変容を生じさせていく様相を明らかにした。ついで2007年度は「老いをめぐるポリティクス」を年度テーマとし、「老人」に対する権力の関与だけではなく、「老い」やその対極にある「青年」を規定する社会的背景をも含めた議論を行なった。

その結果、「場」には、社会や大小の権力の介入があり、単なる対立に留まらない権力と民衆との様々な関係性を見出すという成果を得ることができた。その一方で、そこにみられる権力の多様さゆえに、権力と民衆との関係性をめぐる論点が広がりすぎたため、議論の集約という点では課題が残された。

そこで2008年度は、民衆世界に介入する様々な権力のうちの一つである「警察」を主たる検討対象として設定することとした。ここでいう「警察」は、近代国家制度としての警察に限定せず、広く治安維持権力一般を指すものとする。

従来、警察は民衆と対立する存在としてのみ位置付けられる傾向にあった。しかし、近年の研究では、権力と民衆の関係性を問い直すものがみられる。近代の日本においては、警察制度と民衆が接触するなかで「警察の民衆化」や「民衆の警察化」という事態が生じていたことが指摘され、植民地化過程の朝鮮においては、植民地権力が植民地民から憲兵を採用し、そのことが権力側・民衆側双方に矛盾をもたらす状況が指摘されている。

前近代の治安維持権力に関する研究でも、対立ばかりではない民衆との関係性が指摘されている。例えば近世の日本では、民衆を取り締まる側と取り締まられる側の人間が同一であることがしばしばみられ、農兵などのように民衆が治安維持権力を形成する事例が知られている。また中国史の研究においては、清朝期の江南地域で民衆が国家の治安維持権力を地域社会に招き入れて治安維持の実現をはかっていたことが明らかにされている。このようにしてみると、抵抗と抑圧の図式のみに回収されない「警察」と民衆との関係性を描くことが現在求められているといえよう。

「警察」をめぐるポリティクスをみることは、「警察」研究を進展させるだけではなく、民衆史研究にとっても大きな意味があろう。なぜなら、民衆の生活世界を対象としたミクロな視点で「警察」と民衆の接点をみることによって、そこにあらわれる民衆と権力の複雑な関係性を描き出し、民衆の世界観の新たな側面を浮かび上がらせることができると考えられるからである。

そこで2008年度第1回シンポジウムでは、朝鮮の警察や憲兵についてご研究されている愼蒼宇氏と、日本近代の警察史をご研究されている大日方純夫氏のお二人にご報告いただくことにした。
活発な議論を期待する。


2008年6月5日木曜日

早稲田大学文学学術院シンポジウムのご案内

 早稲田大学文学研究科の日本近現代史ゼミより、企画のご案内がありましたので、ここに掲載いたします。

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早稲田大学文学学術院公開シンポジウム

歴史学にもっと論争を! 
――安丸良夫『文明化の経験』をめぐって――

日時:614日(土) 13:00
場所:早稲田大学戸山キャンパス 36号館682教室 
報告:安丸良夫氏、深谷克己氏、大日方純夫氏
司会:金井隆典氏、檜皮瑞樹氏
主催:早稲田大学文学学術院日本近現代史ゼミ・近世史ゼミ・政治学研究科梅森直之ゼミ
ビラ:http://www.waseda.jp/bun-jlc/yasumaru/yasumaru3b.jpg
サイト:http://d.hatena.ne.jp/ummr/20080517

【趣旨文】

本企画の趣旨

 昨年発行された安丸良夫氏の著作、『文明化の経験――近代転換期の日本』(岩波書店・2007)は、氏が80年代に発表した論稿を中心としているが、新たに書き下ろされた序論と現代の問題状況を考察した補論を加えることで、既出の論文に新たな意味を付与し、現在の地点からの「近代転換期の日本」の再解釈と総体的な理解を試みた積極的な問題提起の書となっている。
 
 周知のように、1990年前後を画期として、歴史学の方法に対するさまざまな懐疑的見解が提出されている。歴史学の言説の政治性や権力性が繰り返し指摘されるとともに、〈対象とする時代の全体像を描き出す〉というこれまで歴史研究者が目標と定めてきた行為そのものについても、その原理的な不可能性や叙述の受け手に対する抑圧的側面が強調されてきた。歴史研究を取り巻くこのような状況が、若手研究者たちの間に「方向感覚の喪失」とも言うべき気分を醸成し、研究の個別分散化や浮遊化を助長しているという指摘もある[1]

 安丸氏も、こうした歴史学批判の動向やそれらの主張が拠り所とする諸思潮を積極的に吸収しており、それは、近代歴史学を近代世界の自己意識として規定していることによっても示されている[2]。しかし、こうした理解に立ちながら――そして、自身の内面に暗い虚無感を潜ませながら[3]――も、あくまで歴史学のディシプリンを堅持し、大胆な歴史像の提示を行っているところに安丸氏の立場が現れている。その意味で『文明化の経験』は氏の現在の歴史学に対する挑発の書と言うことができよう。今回、私たちが本シンポジウムを企画したのは、歴史学のゼミナールに所属する――「方向感覚の喪失」を指摘される――学生として、こうした安丸氏の問題提起をとりわけ深く考えるべき立場にあると考えたからにほかならない。
 
 そのための補助線とすべく、本シンポジウムでは、安丸氏からの論争的な問いに対し、研究対象の近いお二人の方から応答をいただくことにした。
 
 大日方純夫氏について安丸氏は「民権期研究正統派」と位置づけた上で、その所説に批判的な検討を加えている[4]。安丸氏の大日方批判の眼目は、いわゆる「民衆史派」からする「民権派」批判という主旨ではなく、むしろ「民権派対民衆史派」という対抗軸自体の有効性に疑義を呈し、より豊かな歴史像の構築に向けての方法を提起するところにあると思われる。ことは歴史理論をいかに深めるかということに関わっており、したがって、両氏の対立点は単に個別の実証的レベルではなく、対象へ切り込むアプローチの仕方や、さらには日本の近代に対する全体的な評価にまで及ぶものと思われる。
 
 一方、深谷克己氏と安丸氏とは、共に民衆史研究の草創に立ち会い、長らくこの領域をリードしてきた間柄にあり、大きな見解の相違はないように思われる。しかしながら、近世社会における法的支配のあり方に注目し、その中での民間社会の自立化を重視する深谷氏と、社会秩序の背後にある宗教的心性や暴力の存在に注意を払う安丸氏との間には、近代の市民社会に対する観方や逸脱的契機の捉え方などを含め、歴史観の基本的な部分に関して看過しえない対立点が存在すると考えられる。
 
 深谷氏が「分野史でなく、全体史の視点が歴史学の存在理由である」と述べ[5]、大日方氏が歴史学の「現在の現実に足場を据えて過去を未来に架橋する」役割を繰り返し強調していることからも分かるように[6]、現在との緊張関係の中で歴史の全体像に迫ろうとしている点で、三氏は大きな目的を共有していると言える。そうであるからこそ、『文明化の経験』の中で安丸氏が提示した論点を介して、三氏の歴史観の共振と相克を孕んだ関係をあらためて議論の主題とすることで、その緊張関係の中から歴史学の次の段階を展望する手掛かりが見出せるのではないかと考えている。

 現在の歴史研究が方向感覚を喪失しているとするならば、その恢復の道は、個別的な実証研究に埋没することでも、出来合いの歴史観をそのまま受容することでもなく、歴史研究者の一人一人が、過去と現在との間で問題意識と研究方法を絶えず鍛えなおし、そうして得られた歴史像を互いにつき合わせ、論争するという実践を通してこそ開けるものであろう。今回の試みがそうした気運を励ますことに多少なりとも貢献できれば幸いである。

実行委員会  


[1] 高岡裕之「日本近現代史研究の現在――「社会」史の次元から考える―」(『歴史評論』693・2008)。
[2] 安丸『文明化の経験』、13-14頁。
[3] 同上、414頁。
[4] 同上、22-24頁。
[5] 深谷克己『綱引きする歴史学』(校倉書房・1998)、 54頁。
[6]大日方純夫『近現代史考究の座標――過去から未来への架橋』(校倉書房・2007)。


2008年6月1日日曜日

東京歴史科学研究会より企画のご案内

 東京歴史科学研究会の佐藤美弥さんより、次の2つの企画のご案内をいただきましたので、お知らせいたします。くわしくは、東歴研のウェブサイトをご覧ください。

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2008年6月 「入門講座」
【講演】池上裕子氏(日本中世史・成蹊大学) 「中近世移行期を考える」
【日時】2008621日(土) 14:00~(13:30開場)
【会場】立教大学(池袋キャンパス)5号館5224教室
【参加費】600円
【講演概要】
「近年の中近世移行期の論点のひとつに、いわゆる「移行期村落論」がある。勝俣鎮夫氏の村町制論・村請論を契機に議論が活発化した村落論では、「自力の村」論を中心とした研究がひとつの潮流を形づくっている。その結果、まとまっ た形でこれまでの史料の解釈・位置づけに大きな変化がもたらされているのが北条領に関する村・戦国大名関係論であろう。そこで、北条領国を中心として、移行期の「村」を、「郷」や地侍に焦点を当てて検討してみることとする。」

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2008年「7月例会」 
「フィールドワーク 戦争の展示をみる―東京大空襲・戦災資料センター、しょうけい館―」

【期日】2008712日(土)
【集合】東京メトロ半蔵門線住吉駅 B1出口 12:30集合
【コース】
13:00~ 東京大空襲・戦災資料センター見学
      (江東区北砂1-5-4) 
      http://www.tokyo-sensai.net/

16:00~ しょうけい館見学
      (千代田区九段南1-5-13共同ビル九段2号館)
      http://www.shokeikan.go.jp/

※入館料・移動費をご負担いただきます。
※当日は東京大空襲・戦災資料センターの館員の方から展示のご説明をいただく予定です。

2008年5月20日火曜日

中東学会24回大会公開シンポジウムのお知らせ

中東学会よりご案内をいただきましたので、ここに掲載いたします。


中東学会24回大会公開シンポジウム
「パレスチナ問題と日本社会」
(千葉大学大学院人文社会科学研究科、日本中東学会共催)

 1948年のパレスチナにおける「ナクバ」(=アラビア語で「大破局」の意。イスラエル建国、第一次中東戦争勃発により大量のパレスチナ難民が発生)から、60年が経過しました。

 この節目の年に、パレスチナ問題の歴史を振り返り、同時に日本社会とパレスチナ問題との関わり方を検証する、下記のようなシンポジウムを開催致します。どうぞ奮ってご参加下さい。

日時 24日(土)13:20~17:15

場所 千葉大学 西千葉キャンパス けやき会館大ホール

①基調講演
広河隆一「パレスチナのNAKBAから60年」
板垣雄三「日本問題としてのパレスチナ問題」

②リレー討論=臼杵陽、藤田進、奈良本英佑、立山良司、平山健太郎、田中好子、岡真理、田浪亜央江

(入場無料)

連絡先=千葉大学文学部 秋葉研究室内 中東学会実行委員会事務局 
TEL&FAX:043-290-3630
james2008@L.chiba-u.ac.jp
http://wwwsoc.nii.ac.jp/james/meetings/docs/24th/annual24.html

2008年3月29日土曜日

民衆思想史の発想と方法-安丸良夫『文明化の経験』を読

直前になってしまいましたが、ご紹介致します。


歴史学研究会07年度第3回総合部会例会を2008年329日(土)に開催いたします。ご参加お待ちしています。詳しくはこちらから。

以下は歴史学研究会総合部会の広告文の引用です。

歴史学研究会総合部会例会のご案内

民衆思想史の発想と方法-安丸良夫『文明化の経験』を読む-

当委員会では、2007年度第3回総合部会例会を以下のように企画いたしました。
会員非会員問わず、多くのみなさまのご参加をお待ちしております。

日時 2008年3月29日(土)13時~17時
会場 一橋大学西キャンパス本館26番教室(JR国立駅より徒歩10分)
報告 若尾政希氏 崎山政毅氏 安田常雄氏
応答 安丸良夫氏
資料代 300円

趣旨文
 歴史学研究会では、二〇〇七年度総合部会の第三回例会として、安丸良夫氏の新著『文明化の経験―近代転換期の日本』(岩波書店、二〇〇七)の合評会を企 画した。「歴史学を革新することで歴史学というディシプリンを頑固に守り抜こう、そのことにはいまも大きな知的な意味がある」(四一四頁)とする安丸氏 は、本書の序論において、自身の問題意識や方法的立場をギアーツ・フーコー・マンハイム・丸山眞男・ポラニーなどとの対比や、八〇年代以降の(近代日本) 民衆運動史研究の潮流とのちがいから説明している。それは、歴史学に固有の場を自身の研究に即して理論的に提示する試みともいえる。このような試みは、日 本近世・近代史にとどまらず、専攻する地域や時代を超えた幅広い研究者の関心に応えるものと思われる。
 本書の論点は多岐にわたるが、近世近代移行期の時代性・全体性に関わるものとして、一八七七(明治一〇)年を「文明化のための国民国家的統合の画期」と 位置づけている点に注目したい(一五頁)。農民闘争と士族反乱が鎮圧されたこの年以降、政治的社会的対抗は、国民国家的公共圏の枠内での対抗という性格を もつこととなる。それは同時に、暴力とコスモロジーの次元がそれぞれ隠蔽、稀釈化されていくことを意味するという。本論の各論稿は、この二つの次元、およ びその転換点に関わる内容となっている。また、補論には、安丸氏の「研究歴のなかに内包されていた論点を現代的な問題状況のなかで思い切って拡張してみた り、自分の発想の由来を自己言及的にのべて」(四一三頁)いる論文が所収されており、「通俗道徳」論の原像も示唆されている。
 以上のような本書の性格から、本例会は、コスモロジー論、暴力の領域をふくめた民衆運動史・社会運動史、固有の時代経験と発想、という三つの視角からの 報告で構成した。安丸氏の思想史研究における観点、分析、アプローチ、史料解読の方法から、固有の時代経験に根をおく発想のレベルまでを検証することによ り、今後の民衆思想史の、さらには歴史学の方法的展望を切り拓くための手がかりにしたいと考えている。
 若尾政希氏には、コスモロジー論の視角からの批評をお願いした。若尾氏は、近世日本における政治常識の形成と解体を全体として検討するうえで、コスモロ ジーの次元における継承と転換に視点をおくことの重要性を提示されている。若尾氏に、本書を批評して頂くことで、コスモロジーの次元へのアプローチがもつ 意義も強調されるのではないかと期待している。
 崎山政毅氏には、民衆運動史・社会運動史の視角からの批評をお願いした。崎山氏は、サバルタン研究の視座から、ラテンアメリカを中心とした「第三世界」 を分析されており、日本史の研究史上とは異なった文脈で安丸氏の著作を論じて頂けると考えている。また、安丸氏は、崎山氏の方法的立場を「アナーキズム的 永久革命論者の認識論」と評したことがあるが(「表象の意味するもの」歴史学研究会編『歴史学における方法的転回』青木書店、二〇〇二)、この点をめぐる 応答も期待したい。
安田常雄氏には、安丸氏に固有の時代経験と発想という視角からの批評をお願いした。安田氏が『<私>にとっての国民国家論』において、このような視角から 西川長夫氏の著作、国民国家論を論じられたことは記憶に新しい(牧原憲夫編、日本経済評論社、二〇〇三)。研究主体に固有の時代経験と発想という視角は、 学問の方法と思想史にたいする安田氏の関心(民間学)と重なっており、本書をはじめとする安丸氏の著作を根底で支えるものに言及して頂けるのではないかと 考えている。
 なお、日本近現代史研究者を中心とした討論会の記録である『<私>にとっての国民国家論』には、安丸氏の研究をめぐって活発な議論が展開されたことも記 されており、民衆イメージや個々の著作の位置づけなど興味深い論点が提示されている。この討論会は、一九九九年度の歴史学研究会全体会「再考・方法として の戦後歴史学」を一つの契機として企画されており、本例会がこれらの企画で提示された論点や問いを再検討する場になればと考えている。会員をはじめ、関心 のある多くの方々の参加と活発な討論を期待したい。


2008年2月18日月曜日

いまなぜ国民国家か―国民国家の過去・現在・未来:人間文化研究機構

ご案内を頂きましたので、お知らせ致します。
詳細は[シンポジウムのサイト]をご覧下さい。


統一テーマ「いまなぜ国民国家か―国民国家の過去・現在・未来」

人間文化研究機構「ユーラシアと日本」〈権力システム〉班主催シンポジウム(2008年3月1~3月2日)
 場所:京都市国際交流会館
(京都市左京区粟田口鳥居町2-1)

事前申し込みが必要となります。
住所、氏名(ふりがな)、職業または所属機関、団体名など、連絡先電話番号を記入し、葉書またはFaxでお申し込み下さい。申し込み締め切りは2月22日まで(申込先着120名)
申込先
565−8511
吹田市千里万博公園10−1国立民族学博物館管理部研究協力課共同利用係
Fax:06−6878−8479

いまなぜ国民国家か―国民国家の過去・現在・未来
【開催趣旨】
 国民国家の相対化が叫ばれて久しい。いうまでもなく国民国家とは、近代において成立したものであり、その成立は作為的であった。フランス革命の際に、何故に国民国家の成立が求められたのかといえば、ブルジョワジーが国王や貴族から政権を奪い取るために、現実には多様な階級や階層、エスニステイーで構成される第三身分なるものの一体性と絶対性を主張し、彼らを一括りに国民として定義づける必要があったからである。ここにフランスは、さまざまな政治文化や国家装置を生み出すことによって、国民なるものの歴史性と現実性と永遠性を不断に説き続けていくことになる。そして以後、国民国家は、近代国家の絶対的なモデルとなり、アジア・アフリカ諸国もその採用を迫られるに至る。
 確かに、国民国家にまつわる様々な政治文化や国家装置は、コピーとペーストが可能であり、どこの国でも国民国家が形成され得る与件を持っているかのようにみえる。しかしながら19世紀から20世紀前半にかけての世界史は、国民国家化を成し遂げて、さらに帝国主義化した国々と、国民国家の形成を意図しつつ、結局はそれに挫折、失敗した国々とによって特徴づけられる。国民国家化とは、為政者たちが作為を意図さえすれば、なし得るというものでは必ずしもない。しかも、同じく国民国家の創設に成功を収めた国であっても、その政治文化や国家装置のあり方にはさまざまな個性が窺われる。
 国民国家は相対化されるべきだが、そのシステムはすぐになくなるわけではない。それどころか、いまやグローバリゼーションへの反動として、再版国民国家化の動きが表れだしており、それは強化されようとさえしている。本国際シンポジウムは、こうした歴史段階にあって、国民国家の歴史的条件や生成、発展の歴史を比較史的に検証し、さらにはその未来をも展望することによって、混迷する世界史を読み説くための資を、いくばくかなりとも提供したいと念じて開催することにしたものである。関心のある方には、ふるって参加して頂き、大いに議論を活性化していきたいと思う。

第1セッション「在来社会の変貌と国民国家の形成」
 国民国家の形成には、在来社会のあり方がある種の規定的働きをしていると同時に、それがひとたび形成されると、在来社会は変貌を強いられていく。本セッションはアジアにおいて国民国家化に成功した日本と、半植民地化に陥りながらも必死に国民国家化を目指した中国を例にとって、その様相を検証することを課題としている。コメントは、アジアの西端で国民国家化に成功したトルコの事例をふまえてなされる。国民国家は果たして、在来社会のどのようなものを前提にしつつ、しかもそれらに変容をしいていくのだろうか?

第2セッション「帝国と国民国家」
 国民国家は往々にして帝国化の願望を持つ。後発の国民国家日本は、まさにその典型であった。しかし他方で、多民族からなる帝国が解体することによって国民国家が誕生する国もある。トルコが格好の事例である。また二重制をとるオーストリア=ハンガリー帝国は、その内部に国民化が進行しつつ、なお第1次世界大戦まで帝国が維持された。本セッションではこの3国を、文化形成の問題を中心に比較することによって、帝国と国民国家がどのような相関関係にあるのかを探っていきたい。

第3セッション「人間の移動から見た国民国家」
 現在グローバリゼーションが進行する中にあって、人々の移動はますます激しくなっている。本セッションはこの現実をふまえ、移民がいかにして国民国家の排他性を現出させていくのか、あるいは逆にいかに移民を取り込みつつ国民形成がなされいくのかについて検証することを課題としている。歴史的な検証としては中国内の移住民と在日朝鮮人の問題を取り上げて考えてみたい。また現在の問題としては、ヨーロッパにおける非正規滞在者の問題を取り上げる。

第4セッション「国民国家の未来を考える」
 国民国家の過去と現在を論じた3つのセッションを受けて、このセッションでは国民国家の将来と可能性について考えたい。発題者のひとりである板垣雄三は、これまで西洋近代のそれをモデルにして考えられてきた国民国家の概念を脱構築するために、その根にあたる中世イスラーム世界にまで立ち返って、この概念の抱えるバイアスや課題を検討する。フランスの社会運動論の第一人者であるアラン・トゥーレーヌは、社会運動を通じて絶えず革新されるものとしての国民国家の新しい概念を構想する。竹沢尚一郎は、国民国家がつねに擬制として内包している文化的同質性の概念がもはや可能ではないこと、それに代わる国民国家の基礎づけが可能かを問う。本セッションでは、国民国家の成立史、国民国家内部の政治と宗教の関係、国家と社会の関係など、国民国家をめぐる主要課題にとり組みながら、国民国家の将来を考えてみたい。  


2007年11月22日木曜日

公文書の管理・保存・公開と歴史学:歴研総合部会例会

ご案内を頂きましたので、お知らせ致します。


歴史学研究会 総合部会 第二回例会
公文書の管理・保存・公開と歴史学
情報公開法施行後の現状と課題

日時 2008年112日(土) 13:30~17:30
会場 東京大学本郷キャンパス 法文1号館1F112教室(東京メトロ本郷三丁目駅より徒歩8分)
報告者
瀬畑源氏(一橋大学大学院社会学研究科後期課程・日本現代史)
「情報公開法と公文書管理問題―日本現代史研究者の立場から」
高橋滋氏(一橋大学大学院法学研究科教授・行政法)
「公文書管理体制と歴史研究のあいだ―情報公開法・個人情報保護法との関係で」
石原一則氏(神奈川県立公文書館・アーカイブズ学)
「地方自治体の公文書管理体制―神奈川県立公文書館の場合」(仮)
資料代:300円
主催:歴史学研究会

趣旨文
 歴史学研究会は1995年の総会活動報告において、「従来歴研は歴史学の社会的役割を研究と教育の二本立てで考えてきたが、今後これに加えて史料保存・ アーカイブズ機能の三本立てとする必要がある」(『月報』1995年5月号)という問題提起を行った。「アーカイヴズとは社会の共同記憶装置」(保立道久 「歴史学とアーカイヴズ運動」『アーカイヴズ学研究』No.1 2004年10月)であるとするなら、アーカイブズ問題は、歴史学の基盤の問題であると同時に、市民の歴史意識の形成にとって歴史教育と同等の重要性をも つものとして、歴史研究者が取り組むべき問題であろう。当会は、1997年大会で「史料の管理・保存と歴史学」と題する特設部会を開催したほか、本誌で 「アーカイブズの比較史」(2004年6月号)という特集を組むなどの活動を行ってきた。今回の企画もそれらの延長にある。
 2001年施行の情報公開法(「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」)は公文書の管理・保存・公開に関わる状況を大きく変えることになった。行 政機関は、保有する行政情報を原則として全て公開することを義務づけられたため、昭和天皇とマッカーサーの第1回会談の会議録が公開されるなど、多くの歴 史的に重要な史料が公開されてきた。
 しかし、その一方で、情報公開法施行直前に大量の史料が廃棄されるなどといった文書管理の不備の問題が、当初から大きく取り上げられていた。さらに、法 施行後、各府省庁から国立公文書館等に移管される公文書の量が激減しているだけでなく、そもそも重要な行政文書そのものが作られないといった問題も浮上し てきている(『日本経済新聞』2002年8月11日朝刊)。この問題の根本には、文書移管の決定権を国立公文書館ではなく各省庁が握っていることや、そも そも公文書のライフサイクル全体を統括する法律が制定されていないという問題がある。
 こうしたなか、政府部内において「公文書等の適切な管理、保存及び利用に関する懇談会」が設置され、現状の問題点を総括し、改善のための提言を行ってい る(2004、2006年)。また「公文書管理法研究会」が公文書の作成から保存までを見据えた法整備の提言を行っているなどの動きがある。
 この公文書の管理・保存・公開の問題は、現在の歴史研究者にとっての歴史史料の公開というだけでなく、将来の歴史研究者のためにどのように史料を残せる のかという問題でもあるということを、深刻に受け止める必要があるのではないか。
 以上をふまえ、今回の総合部会例会では、情報公開法施行後の公文書の管理・保存・公開の問題点を整理し、それに対して歴史研究者が取り組むべき課題を考 えたい。まず、情報公開法施行当初から、歴史研究者として公文書の公開問題に関心を寄せてきた瀬畑源氏に、利用者の立場から国のアーカイブズをめぐる諸問 題を論じていただく。次に、前述の公文書管理法研究会座長である高橋滋氏に、行政法学の見地から、現在の国の公文書管理体制の問題点、それと歴史研究の関 係について個人情報保護の問題とも絡めながら論じていただき、あわせて「公文 書管理法」の構想についてもお話しいただく。さらに、神奈川県立公文書館の石原一則氏から、先進的な内容をもった神奈川県の公文書管理体制や情報公開制度 の経緯や現状をご報告していただくことで、国の公文書管理体制の問題点を地方から照射したい。

「男性史」は何をめざすか:歴研総合部会例会

ご案内を頂きましたので、お知らせ致します。


歴史学研究会 総合部会 第一回例会
「男性史」は何をめざすか
その現状と可能性をめぐって
2007年1215日(土):午後1~5時
会場: 大阪経済法科大学・東京麻布台セミナーハウス2F大会議室(東京メトロ神谷町駅から徒歩2分)
報告者: 阿部恒久兼子歩
討論者: 加藤千香子
主催:歴史学研究会
資料費:300円

趣旨文
 歴史学の「メインストリーム」では書かれなかった女性の経験を記述しようという思いは、女性史研究を登場させた。さらに、性差及びその構築に対する関心 がジェンダー概念の創出へとつながり、「女性性」「男性性」が歴史のさまざまな場面で構築される過程を検証する「ジェンダーの歴史学(ジェンダー史)」が 誕生した。それ以来女性史、ジェンダー史の多くの研究が蓄積され、社会的な認知も深まってきといえる。
 しかし、それに対して男性性/マスキュリニティ、男性史という言葉はあまり市民権を得ているとは言い難い。しかし「慰安婦」問題や男性労働を中核とした 企業のあり方といった、現在関心を集めている問題を考える上でも、またジェンダーの権力関係を男性の視点から考察して、歴史全体の再構築をめざす意味にお いても、これまでの男性性/マスキュリニティを問い直すことは、重要な意味をもつようになってきている。そしてこうした男性性/マスキュリニティの規範と 実態を探るためには、それらがどのような過程で構築されてきたのか歴史的に考察することが求められているのである。
本例会ではこうした視点に立って、「男性史」の現在と将来、その可能性というものを検討してゆきたいと思う。「男性史」の対象や方法とは何なのか、「男性 史」は女性史、ジェンダー史とはどこがどう変わってくるのか、またそれぞれの間の関係とはいかなるものなのか、さまざまな見解が存在する中で、活発な議論 を通して「男性史」の可能性というものを探ってゆきたい。
そして今回は特に、先に刊行された阿部恒久・大日方純夫・天野正子編『男性史』第1~3巻(日本経済評論社、2006年)を男性性/マスキュリニティを議 論してゆく際の材料、土台として取り上げることとする。しかし、単にこの『男性史』の批評にとどまらず、男性性/マスキュリニティとは何か、今、なぜ「男 性史」ついて取り上げるのかといったことを議論してゆくことを主眼におく。そこで報告者の阿部恒久氏には、『男性史』の編者として同書の企画の趣旨、めざ そうとしたことについ話していただく。さらに国際比較の視点から、もう一人の報告者の兼子歩氏には、アメリカ史における男性史研究の現状と課題といったこ とを紹介していただく。各時代、各地域ないし国家において、いかに男性性/マスキュリニティといったものが構築されてきたのかということを検討し、それぞ れの歴史的過程の多様性と共通性を抽出してゆくことに よって、男性性/マスキュリニティの多様な現実と規範が考察できるのではないかと考えるからである。またその分析の際には、性に関するさまざまな既存概念 の再検討をめざすクィア理論の視点にも留意したい。そして討論者の加藤千香子氏には、日本における男性史研究の現状と課題とその中での『男性史』刊行の意 味について話していただき、さらに男性史研究の意味と可能性についても触れていただく。

2007年11月8日木曜日

現代都市を生きる感性と歴史学:東京歴史科学研究会

ご案内を頂きましたので、お知らせ致します。


東京歴史科学研究会
2007年12月「歴史科学講座」のおしらせ

*絶えず社会との緊張関係を意識しつつ、研究の新領域を切開してきた成田氏に、現在の問題群と最新の展望をめぐって講演していただきます。

【講 演】成田龍一氏 (日本近代史/日本女子大学教授)
     「現代都市を生きる感性と歴史学 −戦後歴史学と都市史研究−」
【日 時】2007年12日(土)14:00〜(開場13:30)
【会 場】立教大学(池袋キャンパス)5号館5307教室(3階)
【参加費】600円
【連絡先】東京歴史科学研究会
     〒114-0023 東京都北区滝野川2-32-10-222(歴史科学協議会気付)
      TEL/FAX 03-3949-3749
      e-mail torekiken@gmail.com
詳細は本会ウェブサイトにも掲載いたします(http://wwwsoc.nii.ac.jp/trk)

2007年11月6日火曜日

「医療の国民化」を考える:民衆史研究会大会シンポ

ご案内を頂きましたので、お知らせ致します。


民衆史研究会2007年度大会シンポジウム
「医療の国民化」を考える
——現代史のなかの医療と民衆

<報告>
中村 一成(一橋大学大学院)「戦前・戦時の都市医療」(仮)
鬼嶋 淳(佐賀大学)「占領期日本における医療運動の展開」(仮)

<コメント>
高岡 裕之(関西学院大学)

日時 2007年121日(土) 総会12:30〜 大会13:00〜

会場 早稲田大学文学部 36号館6階 681教室

参加費:300円 ※終了後、懇親会あり

[詳細情報]民衆史研究会

<開催趣旨>
 グローバル化とそれに対応した新自由主義政策が進行している昨今、“福祉国家”の変容・解体が様々なレベルで議論されている。日本社会においても、年金制度や健康保険制度のゆきづまりが問題化されているのは周知の事実である。こうした“福祉国家”の大きな変貌を前にして、近年これを学問的に再検討しようという動きが強まっている。「福祉国家」と名のつく書籍を探してみれば、社会政策や社会福祉の研究はもちろんのこと、社会学や歴史学の分野においても、同問題に対する関心が高まりを見せていることが分かるであろう。国民健康保険をはじめとする医療の問題は、そのなかでも1つの焦点をなしている。
 近年の医療制度改革の流れのなかで、国家が国民すべてに医療を受ける権利を保障するという従来の政策枠組はその根底から揺るぎつつあるが、そもそも日本において、医療の受け手が国民的規模に拡大していくこと——本シンポジウムではこれを「医療の国民化」と呼ぶことにしたい——が進行したのは、第一次世界大戦後以降、なかんずく1930年代から40年代にかけてのことであった。国家総力戦体制の構築過程で、国民健康保険法(1938年)、国民医療法(1942年)といった重要な法律が公布・施行され、「健民健兵」育成のため国民に“健康”の義務を課し、そのための監視体制を全国的に網羅することが国策として目指されたのである。こうした「医療の国民化」は、“人的資源”を国家目標に合わせて動員するためのひとつのテクノロジーであり、人々を“有用性”の基準で峻別・序列化する機能を担っていた。
 戦後社会においては、“健康”は権利としての位置づけ(憲法25条)を得て、医療制度の受益者は格段に広がっていく。しかし同時にそれは、健康(健全)/不健康(不健全)という戦前以来の価値体系を引き継ぎつつ、“健康”の規格をくりかえし再生産していく過程でもあった。とりわけたびたび行われる政府や民間の健康キャンペーンは、個人が選び取っているかのように見える“健康”のための努力が、国家的な要求と密接な関係にあることを示唆するものであった。
 このように概観してくると、戦間期以降の医療の普及の歴史は、常に国民国家への統合や動員と分かちがたく結びついていたことが分かる。しかし、こうした理解には一方で大きな疑問も残る。そもそも医療制度の充実というのは、民衆の切なる願いだったのではないか。社会政策史の相澤與一は、戦時期における国民皆保険化の状況について、「医療窮乏に苦しむ農民たちの痛切な必要と要望を反映し、それらが組織され吸収された側面もあったはずである」と指摘している。「医療の国民化」は、国民統合の契機としての側面を持ちつつも、同時に、民衆の切実な医療要求との連環の中に位置づけられるものなのではないだろうか。とするならば、民衆の運動や意識状況の側に足場を置いて、もう一度「医療の国民化」の様相を捉え直していくことも必要であろう。
 そこで本シンポジウムでは、これまで制度史、政策史的な観点で捉えられることの多かった1920年代から1950年代にかけての時期の「医療の国民化」について、地域社会や社会運動、民衆の生活実態といったファクターに即して考えてみたい。そうすることで、動員や規律化といった概念には単純には収斂しえない、医療と民衆の関わり方の具体像を描き出せるのではないかと考えている。
本シンポジウムがポスト“福祉国家”を見据えていく上で、何らかの手がかりとなれば幸いである。

2007年11月4日日曜日

シンポ「アジアにおける国民国家構想」のお知らせ

ご案内を頂きましたので、お知らせ致します。


シンポジウム
アジアにおける国民国家構想

日時:2007年128日(土)、開場9時20分・開場9時50分

会場:早稲田大学戸山キャンパス34号館453教室

問題提起:
趙景達「アジアにおける国民国家構想──朝鮮を中心に」

報告:
檜皮瑞樹「19世紀後半の日本における北進論と国民国家構想」
田中比呂志「近代中国の国民国家構想──清末民初の地域エリート等の構想を中心として」
今井昭夫「20世紀初頭のベトナムにおける開明的儒学者達の国民国家構想」
ジャン・H・エルキン「トルコにおける国民国家構想と近代日本の接点──ツーラン主義の日本における展開」

コメンテータ:金井隆典・朴花珍、討論司会:慎蒼宇・中嶋久人

主催:大学共同利用機関法人 人間文化研究機構、共催:アジア民衆史研究会

事前のお申し込みは必要ありません。お気軽にご参加ください。

[詳細情報]

近代西欧で誕生した国民国家は瞬く間に伝播していき、アジアにもその採用を迫るに至った。西勢東漸の波濤は、伝統的世界に浸るアジア諸国家にさまざまな葛藤を生み出し、アジア諸国家は植民地化を免れるべく、必死の営為をしていく。結果として、第二次大戦以前国民国家の建設に成功を収めたのは、アジアの東端である日本と西端であるトルコであり、タイも一応の独立を維持することができた。中国の場合は半植民地化の中から国民革命を目指したが、他のほとんどの国々は植民地に転落した。

このようにアジアにおける近代の道程は明暗を分けるに至ったが、「アジアにおける国民国家構想」と銘打つ本シンポジウムの意図するところは、各国でさまざまに営為された国民国家構想を比較検討することにある。その際、国民国家の建設に成功を収めた日本などを理念型として括りだし、他をその基準に合わせて評価していくというような近代論的な方法をとらないのは言うまでもない。日本もまた、国民国家建設の成功の裏でさまざまな矛盾や問題を抱えるに至ったのであり、それが何であるかを問うことがむしろ重要な課題である。国民国家構想の違いには、伝統思想や伝統文化との葛藤の深度が大きく規定する要因となったものと考えられるが、そうしたことを探り出していかなければならない。現在世界はグローバリゼーションの波に洗われ、国民国家は揺らぎを見せているにもかかわらず、逆にそうであるがゆえにその強度が増しつつあるという皮肉な状況下にあると言えよう。しかし、その表れ方も一様ではない。本シンポジウムは、そうした現在的な課題を十分に念頭に置きつつ進めていきたい。かつて竹内好が提起した伝統との葛藤にまつわる「回心文化」と「転向文化」の問題は、決して古びたものとなっていない。伝統は、国民国家体系を当為とする現代世界にあってなお、人々の行動や思惟などを拘束しているのが現実である。日本の「転向文化」もまた、伝統のあり方のゆえに可能であったとも言うことができる。

本シンポジウムでもっぱら取り上げる事例は、日本・中国・ベトナム・トルコである。これらは国民国家に成功を収めた国と半植民地となった国、そして完全植民地となった国に分けられるが、この四国は相互に影響を被りつつも独自な国民国家構想を営為した。全三者は同じく儒教文化圏に属しているにもかかわらず、その国家構想は分岐している。また、トルコは日本とはるか離れた地に位置しながらも日本のアジア主義と関係を持った。本シンポジウムでは専論としては扱わないが、朝鮮の国民国家構想とアジア主義への対応の仕方も問題としないわけにはいかない。

教科書問題というやっかいな問題もある中で、以上のような課題意識を持つ本シンポジウムは、単に学術的であるばかりではなく、それなりに実践的であると自負するところがある。多くの人々とともに大きな議論ができることを期待したい。