2008年4月22日火曜日

修論報告会のお知らせ

近代史部会 修論報告会(5月例会)
 歴史学研究会近代史部会は、昨年度から開催している修論報告会を、今年度も引き続き開催することになりました。現状では、修士課程の2年間(それ以上)の成果である論文を書き終えても、大学内での成果報告会以外で(大学を越えて)検討しあう機会が、それほど多くはありません。そこで本部会は修士論文報告会の場を企画しました。この報告会が、修士論文の成果を報告していただき、修士論文執筆者相互の、また修士論文執筆者と研究者との研究交流の場となることを願っております。
 会員の皆様をはじめ、関心のある多くの方々の参加と活発な討論を期待いたします。本年度の報告者、報告題目、要旨は以下の通りです。

日時:2008年531日(土)、13:00〜17:50
   ※残念なことに、土曜日は研究棟にオートロックがかかってしまいます。可能な限り、時間通りのご来場をお願いいたします。
会場:東京大学駒場キャンパス 18号館2階 院生作業室
報告者:

黄綿史氏
言説としての『女性同性愛』の誕生
1910年代~1930年代の下層階級における『同性愛』関連記事の分析
階級、ジェンダー、民族という視点から1910年~1930年代の新聞・雑誌をもとに、当時の言説上における「女性同性愛」を分析し、女学生と女工との問題化の論理構造の差異を考察する。

大溪太郎氏
ノルウェーにおける政治的スカンディナヴィア主義の展開
1864年から1870年代前半を中心に
1864年のデンマーク-ドイツ戦争を契機とする若手歴史家の議論を中心に、ノルウェーにおける政治的スカンディナヴィア主義の思想的基盤を明らかにしつつ、19世紀後半の右派の結集に果たした政治史上の意義を考察する。

本多光氏
1903年ディック法にみるアメリカ合衆国民兵制度改革
連邦国家アメリカにおける民兵管理権問題
本報告においては、アメリカ合衆国における民兵(militia)について論じる。建国以来各州が独自に管理してきた民兵に対する連邦政府の管理権限を規定した1903年ディック法に焦点を当て、この改革法の性格とその成立過程を検討する。

荻野夏木氏
近代における民衆の「不可視の世界」
明治期を中心に
なぜ人は、占いや祈願、怪異を信じるのか。これらの「不可視の世界」は、近代において「迷信」であるとされ、排撃や啓蒙の対象となった。しかし、民衆の生活や思考の中に「不可視の世界」への信仰と関心は生き続け、やがて「新科学」や文化としても追究されるようになる。その過程を、新聞史料等を通して追っていく。


ポスター:

ご自由にご利用ください。関係個所に掲示いただけましたならば幸いです。

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