2007年11月8日木曜日

現代都市を生きる感性と歴史学:東京歴史科学研究会

ご案内を頂きましたので、お知らせ致します。


東京歴史科学研究会
2007年12月「歴史科学講座」のおしらせ

*絶えず社会との緊張関係を意識しつつ、研究の新領域を切開してきた成田氏に、現在の問題群と最新の展望をめぐって講演していただきます。

【講 演】成田龍一氏 (日本近代史/日本女子大学教授)
     「現代都市を生きる感性と歴史学 −戦後歴史学と都市史研究−」
【日 時】2007年12日(土)14:00〜(開場13:30)
【会 場】立教大学(池袋キャンパス)5号館5307教室(3階)
【参加費】600円
【連絡先】東京歴史科学研究会
     〒114-0023 東京都北区滝野川2-32-10-222(歴史科学協議会気付)
      TEL/FAX 03-3949-3749
      e-mail torekiken@gmail.com
詳細は本会ウェブサイトにも掲載いたします(http://wwwsoc.nii.ac.jp/trk)

2007年11月6日火曜日

「医療の国民化」を考える:民衆史研究会大会シンポ

ご案内を頂きましたので、お知らせ致します。


民衆史研究会2007年度大会シンポジウム
「医療の国民化」を考える
——現代史のなかの医療と民衆

<報告>
中村 一成(一橋大学大学院)「戦前・戦時の都市医療」(仮)
鬼嶋 淳(佐賀大学)「占領期日本における医療運動の展開」(仮)

<コメント>
高岡 裕之(関西学院大学)

日時 2007年121日(土) 総会12:30〜 大会13:00〜

会場 早稲田大学文学部 36号館6階 681教室

参加費:300円 ※終了後、懇親会あり

[詳細情報]民衆史研究会

<開催趣旨>
 グローバル化とそれに対応した新自由主義政策が進行している昨今、“福祉国家”の変容・解体が様々なレベルで議論されている。日本社会においても、年金制度や健康保険制度のゆきづまりが問題化されているのは周知の事実である。こうした“福祉国家”の大きな変貌を前にして、近年これを学問的に再検討しようという動きが強まっている。「福祉国家」と名のつく書籍を探してみれば、社会政策や社会福祉の研究はもちろんのこと、社会学や歴史学の分野においても、同問題に対する関心が高まりを見せていることが分かるであろう。国民健康保険をはじめとする医療の問題は、そのなかでも1つの焦点をなしている。
 近年の医療制度改革の流れのなかで、国家が国民すべてに医療を受ける権利を保障するという従来の政策枠組はその根底から揺るぎつつあるが、そもそも日本において、医療の受け手が国民的規模に拡大していくこと——本シンポジウムではこれを「医療の国民化」と呼ぶことにしたい——が進行したのは、第一次世界大戦後以降、なかんずく1930年代から40年代にかけてのことであった。国家総力戦体制の構築過程で、国民健康保険法(1938年)、国民医療法(1942年)といった重要な法律が公布・施行され、「健民健兵」育成のため国民に“健康”の義務を課し、そのための監視体制を全国的に網羅することが国策として目指されたのである。こうした「医療の国民化」は、“人的資源”を国家目標に合わせて動員するためのひとつのテクノロジーであり、人々を“有用性”の基準で峻別・序列化する機能を担っていた。
 戦後社会においては、“健康”は権利としての位置づけ(憲法25条)を得て、医療制度の受益者は格段に広がっていく。しかし同時にそれは、健康(健全)/不健康(不健全)という戦前以来の価値体系を引き継ぎつつ、“健康”の規格をくりかえし再生産していく過程でもあった。とりわけたびたび行われる政府や民間の健康キャンペーンは、個人が選び取っているかのように見える“健康”のための努力が、国家的な要求と密接な関係にあることを示唆するものであった。
 このように概観してくると、戦間期以降の医療の普及の歴史は、常に国民国家への統合や動員と分かちがたく結びついていたことが分かる。しかし、こうした理解には一方で大きな疑問も残る。そもそも医療制度の充実というのは、民衆の切なる願いだったのではないか。社会政策史の相澤與一は、戦時期における国民皆保険化の状況について、「医療窮乏に苦しむ農民たちの痛切な必要と要望を反映し、それらが組織され吸収された側面もあったはずである」と指摘している。「医療の国民化」は、国民統合の契機としての側面を持ちつつも、同時に、民衆の切実な医療要求との連環の中に位置づけられるものなのではないだろうか。とするならば、民衆の運動や意識状況の側に足場を置いて、もう一度「医療の国民化」の様相を捉え直していくことも必要であろう。
 そこで本シンポジウムでは、これまで制度史、政策史的な観点で捉えられることの多かった1920年代から1950年代にかけての時期の「医療の国民化」について、地域社会や社会運動、民衆の生活実態といったファクターに即して考えてみたい。そうすることで、動員や規律化といった概念には単純には収斂しえない、医療と民衆の関わり方の具体像を描き出せるのではないかと考えている。
本シンポジウムがポスト“福祉国家”を見据えていく上で、何らかの手がかりとなれば幸いである。

2007年11月4日日曜日

シンポ「アジアにおける国民国家構想」のお知らせ

ご案内を頂きましたので、お知らせ致します。


シンポジウム
アジアにおける国民国家構想

日時:2007年128日(土)、開場9時20分・開場9時50分

会場:早稲田大学戸山キャンパス34号館453教室

問題提起:
趙景達「アジアにおける国民国家構想──朝鮮を中心に」

報告:
檜皮瑞樹「19世紀後半の日本における北進論と国民国家構想」
田中比呂志「近代中国の国民国家構想──清末民初の地域エリート等の構想を中心として」
今井昭夫「20世紀初頭のベトナムにおける開明的儒学者達の国民国家構想」
ジャン・H・エルキン「トルコにおける国民国家構想と近代日本の接点──ツーラン主義の日本における展開」

コメンテータ:金井隆典・朴花珍、討論司会:慎蒼宇・中嶋久人

主催:大学共同利用機関法人 人間文化研究機構、共催:アジア民衆史研究会

事前のお申し込みは必要ありません。お気軽にご参加ください。

[詳細情報]

近代西欧で誕生した国民国家は瞬く間に伝播していき、アジアにもその採用を迫るに至った。西勢東漸の波濤は、伝統的世界に浸るアジア諸国家にさまざまな葛藤を生み出し、アジア諸国家は植民地化を免れるべく、必死の営為をしていく。結果として、第二次大戦以前国民国家の建設に成功を収めたのは、アジアの東端である日本と西端であるトルコであり、タイも一応の独立を維持することができた。中国の場合は半植民地化の中から国民革命を目指したが、他のほとんどの国々は植民地に転落した。

このようにアジアにおける近代の道程は明暗を分けるに至ったが、「アジアにおける国民国家構想」と銘打つ本シンポジウムの意図するところは、各国でさまざまに営為された国民国家構想を比較検討することにある。その際、国民国家の建設に成功を収めた日本などを理念型として括りだし、他をその基準に合わせて評価していくというような近代論的な方法をとらないのは言うまでもない。日本もまた、国民国家建設の成功の裏でさまざまな矛盾や問題を抱えるに至ったのであり、それが何であるかを問うことがむしろ重要な課題である。国民国家構想の違いには、伝統思想や伝統文化との葛藤の深度が大きく規定する要因となったものと考えられるが、そうしたことを探り出していかなければならない。現在世界はグローバリゼーションの波に洗われ、国民国家は揺らぎを見せているにもかかわらず、逆にそうであるがゆえにその強度が増しつつあるという皮肉な状況下にあると言えよう。しかし、その表れ方も一様ではない。本シンポジウムは、そうした現在的な課題を十分に念頭に置きつつ進めていきたい。かつて竹内好が提起した伝統との葛藤にまつわる「回心文化」と「転向文化」の問題は、決して古びたものとなっていない。伝統は、国民国家体系を当為とする現代世界にあってなお、人々の行動や思惟などを拘束しているのが現実である。日本の「転向文化」もまた、伝統のあり方のゆえに可能であったとも言うことができる。

本シンポジウムでもっぱら取り上げる事例は、日本・中国・ベトナム・トルコである。これらは国民国家に成功を収めた国と半植民地となった国、そして完全植民地となった国に分けられるが、この四国は相互に影響を被りつつも独自な国民国家構想を営為した。全三者は同じく儒教文化圏に属しているにもかかわらず、その国家構想は分岐している。また、トルコは日本とはるか離れた地に位置しながらも日本のアジア主義と関係を持った。本シンポジウムでは専論としては扱わないが、朝鮮の国民国家構想とアジア主義への対応の仕方も問題としないわけにはいかない。

教科書問題というやっかいな問題もある中で、以上のような課題意識を持つ本シンポジウムは、単に学術的であるばかりではなく、それなりに実践的であると自負するところがある。多くの人々とともに大きな議論ができることを期待したい。

2007年10月22日月曜日

ありがとうございました



たくさん皆様のご参加を頂き、10月例会「現代社会運動史資料の海へ」は盛況の裡終了致しました。ありがとうございました。
私たち運営の不手際により、議論に十分な時間を確保できなかったことが残念ですが、何らかの形態で、このような議論を継続してゆく方策を探ってゆきたいと思います。
また報告者の相川さん・友澤さん、コメンテータの原山さん・檜皮さん、そして休日にも関わらず今回の企画を快くお引き受けいただきました埼玉大学共生社会研究センターの藤林さん、ほんとうにありがとうございました。

2007年10月21日日曜日

10月例会のお知らせ

例会を開催します。みなさまのお申し込みをお持ちしております。

テーマ:

現代社会運動史資料の海へ
──埼玉大学共生社会研究センター見学・報告・交流会──

参加申し込み方法:定員は20名、予約制です。

会場整理の都合上、107日(日)までに、歴史学研究会近代史部会運営委員、大和孝明(やまとたかあき)までご連絡下さい。先着順で、ご案内を差し上げます。
定員一杯となった場合、ご来場をお断りすることがございます。大変心苦しいことではありますが、どうぞご了承下さい。

日時:1021日(日)、11:45〜17:00
会場:埼玉大学共生社会研究センター(総合研究機構3F)

当日は11時45分に埼玉大学正門前にお集まりください。部会運営委員が皆様を会場へお連れします。それ以後に来られた方は、直接会場までお来し下さい。
当日昼食休憩はございませんので、あらかじめ済ませた上でご参加下さい。
[案内図][バス:北浦和][バス:南与野]

日程:

1. センター見学とご担当者による説明
2. 二名の研究者による報告、二名のコメンテーターによる問題提起
3. 総合討論

報告者:

相川陽一氏(一橋大院)「地域ベ平連調査からみえてきたもの」
友澤悠季氏(京都大院)「センターとの出会いから考えたこと―宇井純公害問題資料を事例として―」

コメンテータ:

原山浩介氏(国立歴史民俗博物館)
檜皮瑞樹氏(早大院)

例会企画趣旨:

 埼玉大学の共生社会研究センターには、住民図書館をはじめとする団体や個人より寄贈を受け、現在も継続収集を行う、30万点を超える社会運動やNGO・NPO関連のビラ・ミニコミが収蔵されています。環境・人権・教育・平和・産業・生活問題など、そこにみられるテーマは幅広いものであり、同所は市民の活動を記録・保存し、社会に発信するための情報センターとしての機能を果しています。
また、日本消費者連盟・草の根通信(復刊)・練馬母親連絡会・国立市障害者自立運動・べトナムに平和を!市民連合(ベ平連)・横浜新貨物線反対運動・公害問題等、様々な運動に関する一次史料や、生涯をかけて公害問題に取り組んだ宇井純氏(1932-2006)の資料コレクション、東南アジアを歩き『バナナと日本人』や『ナマコの眼』などの著作を残した鶴見良行氏(1926-1994)の残した蔵書・研究ノート等が存在しています。
 これらの史資料は『「生活の質」を捉え直し、多価値の時代における共生のあり方を考察し、社会に還元する』(センターHPより)目的は勿論のこと、特に研究者にとっては、1960年代以降の社会運動を考える上で、大きな手がかりになることが予想されます。しかし現代の人文社会科学は、現代社会運動史資料の実態解明や収集・保存・活用について、未だ方法論を確立したとは言いがたい状況にあります。
 そこで、このたび歴史学研究会近代史部会は、センターのご協力をいただき、現地での史資料見学・個別報告・交流会を一体化した例会を企画することにいたしました。
 本企画は、現代社会運動研究・調査についての論点共有や、研究基盤作りのための第一歩であることを目的としています。学知の境界を超えて、社会運動を「現場」の視点から改めて問い直すことや、現代史資料を収集・保存・活用すること、そして記録や証言自体の持つ意味について、話し合ってみたいと思います。
 これから研究をはじめようと考えておられる学部生・院生や、すでに研究をすすめておられる研究者、現代史資料を扱っておられるアーキビストなど、ご興味をお持ちの皆様。センターに集い、一緒に語り、考えてみませんか。


ご注意:

埼玉大学共生社会研究センターは、この企画に対し、会場確保・内容説明等の点でご協力くださっています。しかし例会企画・運営・実行の責任は、歴史学研究会近代史部会にあります。例会について埼玉大学にお問い合わせいただきましても、回答しかねる場合がございます。
お問い合わせにつきましては、上述の大和アドレスまでご連絡のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2007年10月16日火曜日

東京歴史科学研究会からのお知らせ

ご案内をいただきましたので、ご紹介致します。


東京歴史科学研究会
12月歴史科学講座事前学習会

◇テーマ◇ 成田龍一『近代都市空間の文化経験』を読む
◇報告◇ 山口公一・佐藤美弥・牛木純江
◇日時◇ 2007年1026日(木)18時00分から
◇会場◇ 一橋大学国立西キャンパス別館1階歴史共同研究室会議スペース(JR中央線国立駅南口徒歩6分)
◇地図へのリンク◇
地図の(4)の建物です
成田龍一『近代都市空間の文化経験』岩波書店、2003年
東歴研ウェブサイトもご覧ください
 以上

2007年10月13日土曜日

本誌増刊号が発売されました


歴史学研究会編『歴史学研究 増刊号』No. 833、2007.10、青木書店。
去る6月に開催された2008年度歴研大会における報告・コメント・討論要旨が掲載されています。
目次等は、歴史学研究会:最新号目次をごらん下さい。